第33号 何その黒い板。

tetsujin_vol33
未知の黒い板を目の当たりにした太田
「何その黒い板」これは、私がiPhoneを初めて目にしたときに口に出た言葉です。未だにあのときの驚きは忘れられません。それは、2010年3月頃の出来事でした。私の幼馴染である若者が手にしていたのが黒い板でした。私は、その黒い板が何か分からずに、思わず聞いてしまいました。「何その黒い板」とそまま。見たまま聞いたのです。すると黒い板を手にした彼は「iPhoneっす!」と答えてくれ、私にそれを見せてくれたのです。もちろんそれを見せられても黒い板には変わりがないので、説明を受ける必要がありました。それが「何か」ということが分からなかった私は、モデム機器か充電器のような ものか、きっとそういう類のものであろうと思っていたのですが・・・。もちろんそうではありませんでした。

押すところがひとつしかないのにどうやって電話をかけるの?
黒い板を手にした彼は私に色々と教えてくれました。この板を操作する事でインターネットができたり、メールができたり、電話ができたりするということ。GPSみたいなのがついていて現在位置の情報を見たり出来るので道に迷わなくなるという事・・・。 いやいや、ちょっと待ってくれ。iPhoneって押すところが一箇所下のほうに変な丸いボタンがあるだけじゃないですか。どうやって電話 かけるの?といった具合に私は質問を続けました。電話をかけるときに押すべきボタンの数が無いのですから、私の疑問はおかしな ことではないはず。そうです。携帯電話には0から9までの数字と※と井によって成り立つ仕組みなはず!だったのです。 しかし、その彼はこともなげに、「いや、それは起動してタップすれば普通にかけられますよ」と言うのです。 もうこの時点で、「タップする」とか、「普通に」の言語認識が追いつかずその説明だけではさっぱり理解することができませんでした。 そもそも、画面を「タップする」の意味がわからず困惑したものです。「は?叩くの?トンってやるの?」といった感じです。といった具合に、原始人が始めて火を見たときのような反応を、30代前半だった私が実際にしていたわけです。全く未知のものが現れると、人間はこういう反応をするんだ!ということがよく分かった一件でした。
電子書籍、電子マネー、仮想通貨、クラウドファンディング・・・
こうして黒い板は一気に普及しました。2018年の今iPhoneを見て、「何その黒い板」なんて言っている30代、40代のビジネスマンはそうそういないはずです。みんなそれがスマートフォンである事を知っています。幼稚園児が触っていたり、70歳、80歳といったご年配の方が普通に触ったりしている光景もおかしなことではありません。本当にいつの間にか一気に普及しました。スマホが普及して同時並行で新しいものが次々と現れました。例えば電子書籍です。電子書籍はマーケティングの流れを大きく変え るかもしれない!と思い、自分でも出して色々と調べてみましたがまだそれほどのインパクトは無いようです。活字よりも漫画のようなものの方が電子書籍には向いているのかもしれません。モノとしての本に取って代わるほどのパワーはまだ無いように思えますが、ハイパーリンク(クリックやタップをするとWEBサイトにリンクする)を上手に使う事が出来れば活用の幅は広がりそうです。 最近であれば仮想通貨が「新しいもの」です。PASUMOなどの電子マネーとは全く異なるものらしいのですが、私はまだ手を付けてい ません。「よしやってみよう!」と思った数日後に仮想通貨NEMがコインチェックより流出したことで、急にビビッてしまったからです。

クラウドファンディングについても気になる「新しいもの」です。しかし、会計業界で考えるとこの仕組みは(個人的には)少し馴染み難いものであると感じます。出資者を集め難いからです。何かの製品を作るので出資を募って、製品ができたらそれを差し上げるというのであればわかりやすいですし、クラウドファンディングにも合いそうですが、会計事務所の場合はそうはいきません。ただ、これも実際に見てみないと仕組みが理解できませんので、まずは自分でちょっとやってみる(出資してみる)のが良いのかなと思 っています。こういう新しい仕組みというのは、やってみないと「新しい感性が理解できなくなる」というリスクがあると私は考えます。

合資会社オオタキカク 代表 太田亮児