これを制作すればお客様がどんどん増える。そんなものがあるだろうか。

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これを作ればお客様増えますよ。
これをやればお問い合わせが増えますよ。

こういう切り口の制作屋さんは意外と多いです。

「効果」を担保するのが一番伝わりますし、
魅力的ですからそうするのでしょう。

気持ちは分かります。

しかし、お客様のためにはなりません。

これは昔からのことなのですが、
何かやったらそれが成果に直結すること。
なぁんてそうそうあるものではありません。
お問合せがあると言われている事務所のホームページで、
デザイン性と内容の優れたホームページがあったとします。

では、それをそっくりそのままコピーして使ったら別の事務所でも成果をあげられるか?
どうか?

絶対無理ですよ。

ひとつスポーツでたとえてみましょう。
野球をイメージしてみてください。

イチロー選手がかぶっている帽子をかぶり、
ユニフォームを同じものにして、シューズも同じメーカーで、
リストバンドも同じ製品、バットやグローブもお揃い。(コピー)

さあ!

イチロー選手のようにメジャーリーグで活躍できますか?

できませんよね。
当然です。

「中身」が違うわけですから。
イチロー選手と同じようにヒットが打てるようになるわけがありません。
そんなことは当たり前です。
野球のようなたとえがあっても、
それでもコピーは無くなりません。

「A事務所のホームページと同じで良いから作ってよ」

こういう感じのご相談、結構多いのです。
それはどうしてでしょうか。

これはコピー製品を販売する側の理屈によるところが大きいです。
例えば、「会計事務所の仕事なんてどこも同じですからコピーしても通用しますよ」
というものがあります。

これって、結構悪魔のささやきみたいなところがあって、
あまり考えないで既製品のものやほかの事務所で上手く行っているものを、
そのままぽんと当てはめて楽して儲かっちゃう。

みたいな発想がいまだに横行していて、
どんどんその他大勢の税理士事務所に埋没して行くことを
良しとしてしまう風潮が残念ですがあるわけです。

「先生の事務所は特徴が何もないから『会計事務所です』ってホームページで十分ですよ」
「先生方の仕事は誰がやっても同じで付加価値なんて微塵もないですよね」

なぁんて言われているようなものです。
先生方の仕事を知らない外部の人間が勝手な思い込みで先生の魅力を封じ込めしまうわけです。

「わざわざ」特徴も違いもない、当たり障りのないホームページを作って、
数多くの事務所と同じことをする。そのためにホームページを作る。というわけです。
出来るホームページ。成果があるホームページ
そういうホームページには時間と労力がかかっています。

難しいことではありません。

自分たちの事務所のホームページです。

「今度セミナーするからホームページ上で掲載しようよ!」
「マイナンバー制度の情報をアップしたらどうだろう?」

「会計事務所の商品は人なんだからスタッフ紹介入れよう!」

など、そういうことを、みんなで考えているのですね。
そうするとホームページでもパンフレットでも血液が通い始めるのです。

血液が通い始めると自然と問い合わせも増えますし、
見た方からの感想などもいただきやすくなる。

事務所通信もそう。小冊子もそう。名刺も、パンフレットもそうです。

テンプレートや他の事務所のコピー(模倣)には、
他の事務所の血液は流れているかもしれませんが、
先生の事務所の血液が一滴も流れていないわけです。

だから、伝わらないのですね。
コピー(模倣)しても意味が無いんですよ。。。

ただし、例外はあります。
それはフランチャイズに加盟するケースです。
フランチャイズ加盟は一定のツールを運用し良い意味で「模倣」することで、
一定確率の成果が上げやすいという面があります。

ただし、そのフランチャイズ自体が運営本部としての仕事をしっかりとされており、
常に最新の販売促進の開発をしていたり、広告宣伝活動の後押しをしてくれているか、
そういうサービスの有無がどれだけあるのかが重要にはなろうかと思います。

少なくとも、独自性や差別化とは真逆の取り組みにはなりそうです。
【著者プロフィール】太田亮児(おおたりょうじ)|合資会社オオタキカク 代表
税理士・会計事務所の営業、マーケティング支援を行う。起業前は東京都内にある税理士法人に勤務してマーケティング業務を専任で手掛けた。2005年にオオタキカクを設立して独立。税理士事務所の個性を活かし各事務所の強みを磨き上げオーダーメイド式でマーケティングの仕組みを作り上げるサポートを行う。2010年に「税理士・会計事務所の儲かるしかけ」を同文館出版より出版し、税理士業界に特化したサービスを展開している。税理士向けの専門紙である税理士新聞(NP通信社発行)への連載記事を手掛けていたこともある。