アクセス解析をやらないのは試算表がないことと似ている

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「ホームページでお客様を増やしたい」
「お問い合わせがもっと増えるようにしたい」

そのようなご相談を多く頂きます。

ホームページをご覧頂いてお問い合わせが入れば、
費用対効果としては抜群に良いわけですから、
そこに力を入れたい気持ちは良く分かります。

しかし、多くの場合、そのご相談には具体性がありません。
それは、アクセス解析をやっていないことに起因します。

「アクセス解析はされていますか?」と言う質問に対し、「そんなものは見たことが無い」という回答が圧倒的に多いことに驚かされます。
経営者に対する「試算表は見ていますか?」という質問に「そんなものは見ていない」という回答をされているようなものなのです。

アクセス解析と会社で言うところの試算表の運用は似ている

ホームページにおけるアクセス解析の意味は、中小企業経営における試算表の活用に似ています。
例えば「アクセス解析をやっていない」とします。
それはイコール「試算表を作っていない状態」とほぼ同意義です。

アクセス解析をやっていなくても、アクセス解析のシステム自体は取り入れているホームページもあります。
「アクセス解析をやってはいるが数字を見たことがない」という状況もおおくありますが、これは会社経営になぞらえると、
「会計ソフトに入力をして試算表は出しているが数字は全く見ていない」とほぼ同意義です。

さらに「アクセス数だけを見てそのホームページの全てを判断すること」については、
「損益計算書の売上のことろしか見ない」というものと同意義です。

それではいけませんよね?

しかし、ホームページの運用と言う側面で見るとそのような状況があまりにも多いのです。
要するに何も状況がお分かりでない、現状が全く見えない状況にありながらも、お客様だけ増やしたい。
ということを考えてしまっているのです。

会社経営であれば試算表の数字なしで「とにかく売上を増やしたい」「粗利益を高めたい」と言っているようなもので、
では具体的に何をすべきかなどが全く見えませんし、読めないわけです。

試算表を会社経営にどうやって活かすか?という視点

これは釈迦に説法であると思いますが、
アクセス解析に置き換えて考えていただきたいのです。

出てきた数字を使ってそれを経営にどのように活かして行くかを考えなければいけないわけです。
アクセスを増やすべきなのか、ページ数を増やすべきなのか、特定のページに問題があるのか、
ホームページ全体に問題があるのか。

アクセス解析(Googleアナリティクス)では様々な指標が得られます。

それらの指標を元に分析をして次なる一手を打って行く。
コレをやらないとホームページからの問合せを増やすことなんて出来ないわけです。

例えば制作会社A社でホームページを作ったらお問い合わせがある。なぁんてことは無いわけです。
これは会社経営に例えると「○○業で開業をしたら儲かる」みたいな話と似ていて、現実味がありません。

もし、先生方が創業相談で「○○業で開業をしたら儲かるんですか?」などと質問をされたら、
この人は会社経営には向かないかもしれない。と思われるのではないでしょうか。

まずはアクセス解析。
ホームページの次なる一手を考える根拠は全て現実にあったアクセスの動向にあります。
【著者プロフィール】太田亮児(おおたりょうじ)|合資会社オオタキカク 代表
税理士・会計事務所の営業、マーケティング支援を行う。起業前は東京都内にある税理士法人に勤務してマーケティング業務を専任で手掛けた。2005年にオオタキカクを設立して独立。税理士事務所の個性を活かし各事務所の強みを磨き上げオーダーメイド式でマーケティングの仕組みを作り上げるサポートを行う。2010年に「税理士・会計事務所の儲かるしかけ」を同文館出版より出版し、税理士業界に特化したサービスを展開している。税理士向けの専門紙である税理士新聞(NP通信社発行)への連載記事を手掛けていたこともある。