税理士・会計事務所のためのGoogleビジネスプロフィール運用術|低評価クチコミ対策から高評価を集める5つの実践ポイント

クチコミ運用が事務所経営に直結する時代

クチコミは“選ばれる税理士事務所”になるための最重要要素です。 税理士・会計事務所の広告宣伝・信頼構築において、Googleビジネスプロフィールのクチコミ運用は「戦略的な必須項目」といえるようになりました。 

近年は、紹介だけに頼らず自分でインターネットを駆使して税理士事務所を探す企業・個人が増加しています。「クチコミ評価=事務所の第一印象」として判断されるケースも多くなっていて、クチコミ集めの結果、地域の方からの問合せを増やす例が多数出ています。 

特に、★の数だけでなく、クチコミの“内容”や“返信対応”までを含めて総合的に評価されるのが今の時代です。クチコミの管理ができていない事務所は、それだけで「候補から外される」というちょっと怖いリスクがあるのです。
Googleビジネスプロフィールでの会社名検索_クチコミ数と会社情報の重要性

クチコミが集客や信頼性に与える影響

クライアントが税理士を探す際、まず行うのはGoogle検索です。Googleブラウザの利用割合は日本国内で8割を超えます。(2025年4月現在Statcounterより) その際、最初に目に入るのが「Googleビジネスプロフィール」に表示される、事務所の情報とクチコミ評価です。

 実際に私が支援しているクライアントの中でも、「★の数が一定数超えると」問い合わせの数に大きな差が出てくるというご報告をいただくことがあります。複数事務所で同じお話をいただくので、再現性があるということだと考えています。 

また、レビューの内容に“対応の速さ”や“専門性の高さ”といった内容が含まれることで、第三者が目にした時の広告的な価値にもつながります。 つまり、クチコミは「クライアントの声」を通じて、信頼の可視化=マーケティング資産になるということなのです。事務所にとっての資産です。
「★1」の評価がついたまま放置されている事務所を、残念ながらよく見かけます。 低評価のクチコミが目立つ状態は、次のような誤解を生みかねません。 

「この事務所、大丈夫かな?」という不安 

「改善の意識がない」と思われる 

「誠実な対応ができていない」印象を与える

 たった1件の低評価でも、返信対応が誠実にされていれば第三者に与える印象がマイナスからプラスに転じることもあるのですが、返信すらない状態ではマイナスのままです。 

つまり、「無反応=その評価を認めた」と捉えられてしまう危険性があるのです。
税理士事務所のサービスは目に見えづらい「無形サービス」です。差別化がコモディティ化された商品・サービスと言えます。難しい分野です。 

そこで重要になるのが、「第三者からの信頼の声を可視化すること」です。 Googleビジネスプロフィールを活用すれば、以下のような“信頼の見える化”が可能になります。評価が可視化されるわけですね。

・顧客の実体験がレビューとして表示される 

・写真で事務所の雰囲気や安心感を伝えられる 

・返信対応によって、事務所の姿勢や誠実さを表現できる

 このように、クチコミは単なる評価ではありません。先生の事務所、あるいは先生ご自身のブランド力を高める、「経営資源」と捉えて活用していただきたいのです。そうすることが選ばれる事務所への第一歩になります。

なぜ税理士・会計事務所にGoogleビジネスプロフィール運用が必要なのか?

比較検討される時代、第一印象は「ネット上の最初の接点」で決まってしまうこともある。 紹介や口コミに頼った営業活動は今もなお効果を発揮します。そして、その際に起きるのが事務所名検索などをして、事務所のホームページをチェックしようという「指名検索」です。

 特に若い経営者層や個人事業主は、税理士を探す際にGoogle検索をして、その事務所との接点を取ろうとします。 その結果、「検索結果に表示される情報=事務所の第一印象」となります。Googleビジネスプロフィールを適切に整備・運用することは、集客・信頼獲得のスタートラインなのです。 

逆に言えば、「登録していない」「古い情報のまま」「クチコミがないor低評価で放置されている」といった状態は、無意識のうちに機会損失を生んでいると言え、悪くするとせっかく前向きに事務所のことを探してくれた方が、最初に目にしたときにマイナスの印象を与えてしまうという事態に陥ってしまうわけです。
Googleクチコミへの返信例_丁寧な対応が信頼性向上や宣伝効果に繋がる

一見さんからはネット検索で比較される

紹介などで指名検索をしないで税理士を探すユーザーの多くは、「〇〇市 税理士」「税理士 確定申告 評判」といった検索ワードを使って、複数の事務所を比較します。 

そして検索結果の上位に出る「Googleビジネスプロフィール」が、そのまま比較対象になります。 このとき、クチコミの有無や評価の高さが最初の選別基準となり、情報が充実していない事務所はスルーされてしまうこともあります。 

つまり、Googleビジネスプロフィールは「ネット上の名刺」ではなく、「比較され、選ばれる営業ツール」として機能しているのです。
地域名+業種キーワードによる検索_ローカルパック表示

かつては「近所だから」「紹介されたから」という理由だけで選ばれていた税理士も、現在では “どんな先生か” “対応が丁寧か”といった情報が重視される時代になりました。

と申しますか、そういった事前情報が口コミ情報などから得ることができるようになりました。 特に初めて税理士を探す人にとっては、人柄や対応の印象を知る手がかりがクチコミです。 実際にあった例ですが、プロフィール情報を整備し、レビュー対応を始めた事務所では、「対応が丁寧と書かれていたので安心して問い合わせました」という声が増えたという声もいただいています。 

つまり、選ばれるためには「信頼されていることを伝える工夫」が必要であり、その最も効果的な手段の一つがクチコミ運用なのです。
Googleビジネスプロフィールは、検索結果の右側(ナレッジパネル)に大きく表示される視認性の高い情報枠です。ここに掲載されている情報が、そのまま第一印象を形作ります。 

★の数(平均評価) クチコミの件数と内容 写真・投稿・営業時間 対応の返信の有無 これらは、ユーザーにとって「その事務所に連絡するかどうか」の判断材料になります。 プロフィールが整っていない状態=第一印象が悪い(もしくは薄い)、という状態となってしまう可能性があることを忘れてはなりません。 

このように、Googleビジネスプロフィールの整備とクチコミ運用は、税理士事務所にとって“信用をつくる土台”となります。 次のセクションでは、具体的な改善方法である「5つの実践ポイント」に入っていきます。

実践ポイント①:まずは正確なプロフィール情報の整備から

情報の整備だけで変わる、信頼感 Googleビジネスプロフィール運用の第一歩は、正確かつ魅力的な情報を掲載することです。 

名前・住所・営業時間・サービス内容といった「基本情報」が間違っている、あるいは未入力のままだと、ユーザーに不信感を与えかねません。

 特に、税理士事務所は“信頼性”が重視される業種です。 プロフィール情報は「信頼される入り口」であり、ここを整えることで閲覧者が“問い合わせをするかどうか”の心理的ハードルが大きく下がります。
Googleビジネスプロフィール_営業時間・連絡先・住所の正確な記載が信頼性に直結

住所・営業時間・業務内容の見直し

まず確認すべきは、事務所の基本情報が正しく、最新であるかどうかです。 

・実際の所在地と登録住所が一致しているか ・営業時間が最新の状態になっているか 

・対応可能な業務(例:法人決算・相続・クラウド会計対応など)が明確か これらの情報が不足

・誤記されていると、Google検索上でも正確に表示されず、検索順位や信頼度にマイナスの影響を及ぼします。

 ここで記載される基本情報はホームページで記載されているものと同じものである必要があります。

事務所の屋号や住所の建物表記、営業時間が異なっていないかなど注意が必要です。ユーザー視点で考えた時に、Googleで表示されている内容とホームページで表示されている内容が異なっていたら、困ってしまいますよね?
視覚情報も、信頼感を高める重要な要素です。 特に、税理士事務所では「堅苦しい」という印象を持たれがちなため、写真の掲載が大きな安心感を与える効果があるでしょう。 

掲載したほうが良い写真の例: 事務所外観・内観の清潔感ある写真 代表税理士の写真(可能であれば) ロゴやサービスに関連する資料写真 また、スマートフォンでも閲覧されるため、縦横比やサイズの最適化も意識すると、より好印象に繋がります。中には動画撮影したものをアップしているという事務所もあります。
「他の事務所と何が違うのか?」を文章で明確に伝えることも、プロフィール整備の重要ポイントです。専門性を際立たせるということです。 

例えば: 「相続税に強い」「クラウド会計対応」「若手起業家向けに特化」 「初回相談無料」「英語対応可能」などの独自性あるサポート内容を押し出すのです。 これらの記載があると、ユーザーは「自分に合いそう」「話を聞いてみたい」という前向きな判断がしやすくなります。

 逆に、何も書かれていないと「どこにでもある事務所」に見えてしまい、選ばれる理由をつくることができません。 まとめると、「プロフィール情報の整備」は見落とされがちですが、“問い合わせ前の不安”を解消する極めて重要で効果的な施策です。

事務所が自社ビルなどであれば、外観写真や内部の応接室などビシバシ写真を撮って、写真画像をアップしておくと良いでしょう。 

次は、プロフィールを整えたうえでの、クチコミ対応の最重要ポイント「低評価のクチコミへの正しい対応法」について解説していきます。  

実践ポイント②:低評価のクチコミへの正しい対応法

誠実・冷静な返信が“信頼回復”と“新規顧客の安心”につながります。 低評価のクチコミは、放置してはいけません。 大切なのは、感情的にならずに冷静かつ誠実に返信し、第三者にも伝わる対応姿勢を示すことです。

実際のクチコミは、その投稿者だけに向けられたものではなく、その事務所を検討している未来の見込み客に読まれているという点を忘れてはいけません。 うまく対応すれば、低評価は「信頼を取り戻すチャンス」にもなり得ます。

感情的にならず、誠実・冷静な対応が鍵

低評価をもらうと、つい反論したくなるものですが、それは逆効果です。

返信内容に感情がにじむと、「この事務所、なんか怖そう…」と他のユーザーに思われてしまいます。 

ポイントは次の3つです: 

・まずはお詫びと感謝の言葉から始める
例:「このたびはご期待に沿えず申し訳ございません。また、貴重なご意見をいただきありがとうございます。」 

・具体的な状況への理解や事実の説明を丁寧に記載する 
例:「当日は他のご予約が重なってしまい、十分な対応ができなかったことを反省しております。」 

・今後の改善策を伝える 
例:「今後はご予約の調整体制を見直し、再発防止に努めてまいります。」

このような対応は、実際に利用を検討している第三者に「この事務所は誠実に対応してくれそうだ」という安心感を与えることができます。
Googleクチコミ対応_顧客信頼のサイクル_信頼獲得・新規顧客獲得
■返信の良い例: このたびはご不快な思いをさせてしまい、誠に申し訳ございません。 頂いたご意見は真摯に受け止め、○○の対応について改善を進めております。 今後はより一層の配慮をもって業務にあたってまいります。ご指摘いただき、ありがとうございました。

 → 誠実さ・改善意識・感謝の気持ちが伝わる対応 

■NGな例(実際によくある悪印象のパターン): 「そのような事実はありません。何を言っているのか分かりません。」 

感情的・否定的・攻撃的な返信は、他の閲覧者にも悪い印象を与えるだけです。 たとえ、書き込まれた内容が身に覚えのないものであったとしても、攻撃的な返信はNGです。

とはいえ、本当に身に覚えがなく、全く見当違いの書き込みに対しては、丁寧に、「他の店舗とお間違えではありませんでしょうか?」などと返信する方法も考えられます。
返信の中で、「どう改善したか」「今後どう対応するか」をしっかり記載することが重要です。 

例えば: 「内部の体制を変更しました」「ご指摘の内容を所内で共有しました」「ご不明点の説明資料を整備しました」 このように改善策を明記すると、「この事務所はお客様の声をしっかり受け止めている」というポジティブな印象を与えることができます。 

実際、対応次第では、低評価をつけたユーザーが後日クチコミを修正・削除してくれるケースもあります。 

まとめると、低評価のクチコミへの返信は、「顧客との信頼関係の再構築」だけでなく、「他の閲覧者への好印象づくり」の機会でもあります。 クチコミの内容に落ち込むのではなく、“見られている”ことを意識し、戦略的に活用していく姿勢が求められます。 

次のセクションでは、その低評価を打ち消す「高評価クチコミを集める実践方法」についてお話しします。

実践ポイント③:高評価のクチコミを集める方法

クライアントの“満足の直後”を逃さず、自然なお願いで「応援レビュー」をもらいましょう。 高評価のクチコミは「お願いのタイミング」「伝え方」で大きく差が出ます。

 一番のポイントは、クライアントが満足している“その瞬間”に、丁寧にお願いすること。 この一手間が、長期的な信頼獲得と他者からの安心感につながります。 

さらに、ただ「クチコミを書いてください」とお願いするだけではなく、「ご協力いただけると嬉しいです」などの共感的なトーンで伝えることで、自然な形で高評価のクチコミを増やすことができます。
高評価のクチコミを集める方法_クチコミ依頼

タイミングと依頼の工夫(例:確定申告後、決算後など)

高評価をもらいやすいタイミングは、クライアントが満足を実感した直後です。 

税理士事務所で特に効果的なのは: 確定申告が無事終わった後 決算対応が完了した後 新規契約後の初回サポートが好印象だった後 「ご協力ありがとうございました」と伝える流れの中で、 「ぜひGoogleのレビューでご感想をください!」 と自然に依頼を入れると、違和感なく受け入れてもらえることが多いです。

ただし一定の割合で、クチコミを書いたりすることがあまり好きではないという方もいらっしゃいますので、無理強いはしないようにしましょう。
クチコミの依頼は、あくまで「お願い」であり、強制ではありません。
関係性を損なわないよう、以下のような伝え方がおすすめです。 

【例1:対面での依頼】 「いつもありがとうございます。もしお時間あるときで構いませんので、Googleのクチコミをください。とても励みになりますのでお願いいたします」 

【例2:メール・LINEなどの文面例】

【件名】ご協力のお願い(レビュー投稿のお願い) 
【本文】 ○○様 いつも大変お世話になっております。 このたびはご対応ありがとうございました。 もしよろしければ、Googleのクチコミにご感想をいただけましたら幸いです。 今後サービス改善にも活かしてまいります。 

→ クライアントの“善意”を引き出すような丁寧な依頼が重要です。
最近は、よりスムーズにレビューを依頼できるようなツールやリンク生成方法も活用できます。 

■使えるツール・方法: Googleの「レビューリンク作成ツール」を使って、URLを短縮 QRコードを印刷して、封筒や資料に同封 LINEやメールの署名に「ご感想をお聞かせください」の一文+リンク 

こうした工夫により、「書くまでのハードル」が下がり、実際の投稿率が上がります。 

※ただし、Googleのポリシー上、「報酬や特典を渡してレビューを促す」のはNGなので注意が必要です。
どういうことかというと、「〇〇を差し上げるのでクチコミを書いてください」ということはやらないでください。とGoogleは言っているので、注意しましょう。 

まとめると、高評価のクチコミを自然に集めるには: 満足の直後に “お願い”として丁寧に 手間をかけず投稿できる導線を作る この3つがカギになります。

 次のセクションでは、さらに一歩進んで、「クチコミの質と内容をどう高めるか」について解説します。

実践ポイント④:クチコミの“質”と“内容”を意識する

選ばれる事務所になるには「星の数」より「具体的な声」が決め手になります。 高評価の「★5」が並んでいても、内容が「よかったです」だけでは、読み手の印象に残りません。 むしろ、どんな対応をしてくれたか、どんな問題が解決したのかが書かれている具体的なクチコミほど、信頼を引き寄せます。 

見込み客は「この事務所、自分にも合うかな?」「専門性あるのかな?」といった視点でレビューを読んでいます。さらに、一件一件のお客様とどのようなスタンスで向き合っているのか、対応の温度感のようなものもそこから汲み取ろうとします。

皆さんも飲食店の口コミレビューなど、そのような視点でチェックしますよね。 そのため、質の高いクチコミ=営業トークの代わりになる“生の証言”ともいえる場所になるわけなのです。
信頼性の高いレビューに共通する2つの要素_「具体的な担当者の名前」と「サービス名」

「星だけ」より「具体的な内容」の重要性

単に星の数だけが評価のすべてではありません。 たとえば、以下のようなレビューを比べてみてください。

★★★★★「とてもよかったです」
→ ポジティブではあるが、具体的に何が良かったのか全く分からない。 

★★★★★「相続の相談で親身に対応してくださり、不安だった点も丁寧に説明いただきました。初めての相談でしたが安心できました。」
→ サービスの内容・対応の質・雰囲気が伝わりやすいため、検討中の読者に響く。 特に税理士・会計事務所の無形サービスでは、「どんな体験だったか」が具体的に語られるレビューほど、“リアルな安心感”を届ける武器になります。
信頼をさらに高める要素が、「レビューの中に具体的なサービス名や担当者の名前が入っているかどうか」です。 

たとえば: 「決算処理が初めてで不安でしたが、○○先生がとても丁寧に対応してくれました」 「〇〇会計のソフト導入支援をしていただき、大変助かりました」 

こうした内容が含まれていると、“どんなことを頼めるのか”“どんな人が対応してくれるのか”が明確に伝わり、問い合わせにつながりやすくなります。
集まった質の高いクチコミは、Googleビジネスプロフィールの中だけにとどめておくのはもったいないです。 以下のように、他のマーケティング素材としても活用できるかもしれません。(場合によってはお客様に許可をいただいた方が良いケースもありますので要注意) 

チラシや営業資料の中に抜粋して掲載 SNSで紹介(「嬉しいレビューをいただきました」など) こうすることで、Googleを見ていない見込み客にも信頼の裏付けとして活用できます。 

まとめると、星の数だけで一喜一憂するのではなく、「どんな体験が語られているか」こそが重要です。内容のあるレビューは、“無言の営業マン”として、あなたの代わりに事務所の魅力を伝えてくれる存在になります。 

自分の口で「うちは充実したサービスを提供しています」と言ってPRするよりも、実際のお客様から「ここの事務所は充実したサービスを提供してくれます」と言っていただくことの方が、何倍も効果があり、価値があることです。

 次のセクションでは、これまで紹介した施策を維持・発展させるために重要な【定期的なモニタリングと改善サイクル】について解説します。

実践ポイント⑤:定期的なモニタリングと改善サイクルの構築

放置せず“習慣化”することで、Googleプロフィールは営業資産として成長します。 

どれだけプロフィールを整え、クチコミ対応をがんばっても、その後の運用を放置していては成果が長続きしません。 むしろ、最新の情報にアップデートされていない、返信が途絶えている状態は「手入れされていない=管理されていない事務所」の印象を与えることもあります。 

だからこそ大切なのが、定期的なチェック(モニタリング)と改善のサイクルを事務所運営に組み込むことです。少しの習慣が、長期的に見て大きな差となります。
信頼を築き顧客を惹きつけるための効果的なクチコミ戦略_プロフィール整備・誠実な対応・高評価の収集・レビューの質・改善

月1回のチェックで信頼感を維持

最低でも月に1回、Googleビジネスプロフィールを確認することをおすすめします。 

チェックポイントは以下の通り: 

新しいクチコミが投稿されていないか 未返信のクチコミが残っていないか 

住所・電話番号・営業時間などに変更はないか 

競合事務所と比較して、見劣りしていないか 

このように、定期的な確認だけでもクオリティ維持につながります。
「信頼感のある事務所」として感じてもらえるようになりますので、定期チェックは是非やってみてください。
過去に返信した内容や対応方針を、定期的に見直すことも必要になることがあります。 返信が型通りすぎていないか? 内容が誠実に伝わっているか?

改善提案が実行されているか? 場合によっては、「返信テンプレートを見直す」「スタッフ向けにレビュー対応マニュアルを整備する」などの対応を考えたほうが良いかもしれません。 これにより、事務所全体で一貫した対応品質が保てるようになります。 

小規模事務所様であればここら辺の管理は先生が中心になって実施することになろうかと思いますが、従業員数が10名、20名、100名となってくる場合は、事務所内で担当者を設けることになったりもするでしょう。

その際にはやはり事務所としての管理方針が確立されている必要があるということです。
Googleビジネスプロフィールの運用は、担当者一人に任せきりにせず、チームや所内で情報を共有し、協力体制を整えることも大切です。

おすすめの運用体制: 月次のミーティングで「最近のクチコミ共有」 新しいクチコミに対して「返信文を一緒に考える」文化づくり 担当者不在時も対応できるように、運用マニュアルを用意 このように、事務所内で“見える化・共有化・チーム運用”を進めることで、長期的なブランディングの強化にもつながります。 

まとめると、「Googleビジネスプロフィール」は一度整えたら終わりではなく、“育てていく資産”として捉えることが重要です。 月1回の見直しだけでも、大きな信頼の差を生みます。 継続こそが、クチコミを活かした集客・信頼獲得の鍵です。

まとめ|クチコミ運用は“信頼の可視化”と“事務所ブランディング”の最短ルート

クチコミ対策は今や「やるか・やらないか」ではなく、「どう活用するか」の時代となりました。
税理士・会計事務所にとって、Googleビジネスプロフィールの運用は単なる“ネット対応”ではありません。
オンライン上での第一印象を整え、第三者評価(=クチコミ)を通じて信頼を可視化し、選ばれる事務所になるための重要なマーケティング施策です。

特に現在のように比較・検討が当たり前の時代においては、クチコミの存在が、問い合わせ数・顧客の質・成約率すべてに大きく影響するといえます。 

ここで振り返る「5つの実践ポイント」 

① 正確なプロフィール整備  
→ 基本情報と写真・説明文を整えるだけで、第一印象が変わる。 

② 低評価への誠実な対応  
→ 感情ではなく“信頼回復のチャンス”と捉え、第三者視点で返信を行う。 

③ 高評価を自然に集める工夫  
→ 満足直後のタイミングを逃さず、丁寧な依頼で「応援レビュー」を増やす。 

④ レビューの質と内容にこだわる  
→ 星の数より、体験の具体性が見込み客の信頼を左右する。

⑤ モニタリングと改善の習慣化  
→ 月1回のチェックとチームでの運用体制が、継続的な成果に直結する。 

「クチコミ」は、“未来の顧客”との最初の接点 これまで20年、税理士事務所のマーケティング支援を行ってきた中で、明らかに成功している事務所には共通点があります。 それは、目に見えない「信頼」を、きちんと可視化して伝える努力をしていることです。 クチコミはその中核です。 

信頼を生み、ファンを増やし、新規顧客を呼び込む。 まさに「育てる営業資産」と言えるプラットホームです。
レビュー収集を効率化するための3ステップ_「ツール整備・ハードル削減・投稿率向上」

最後に一言|まずは“できるところから、1つずつ”

初めから全てを完璧にやろうとする必要はありません。 

まずはプロフィールの見直しから、次にクチコミ返信、そこから自然な依頼へ…と、一歩ずつの積み重ねが、確かな成果を生みます。 ご不明点や、自社ではどう進めたら良いか分からない場合は、私どもにご相談ください。 

先生の事務所の強みを、クチコミという形で“見える信頼”に変えていきましょう!
【著者プロフィール】太田亮児(おおたりょうじ)|合資会社オオタキカク 代表
税理士・会計事務所の営業、マーケティング支援を行う。起業前は東京都内にある税理士法人に勤務してマーケティング業務を専任で手掛けた。2005年にオオタキカクを設立して独立。税理士事務所の個性を活かし各事務所の強みを磨き上げオーダーメイド式でマーケティングの仕組みを作り上げるサポートを行う。2010年に「税理士・会計事務所の儲かるしかけ」を同文館出版より出版し、税理士業界に特化したサービスを展開している。税理士向けの専門紙である税理士新聞(NP通信社発行)への連載記事を手掛けていたこともある。