SNSが及ぼす環境の変化。税理士業界に影響は?

日経新聞を読んでいると、「クラウド」にはじまり、
Facebook、Twitter、ライン、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス、ソーシャルネットワーク)、
Youtube、ノマドワーカー、クラウドワーキング、クラウドファンディング等など。

ITに関連する用語が出ない日はありません。

さて、先生方はこれらのワードについてどこまで認識をされておりますでしょうか。
最近、話題になるような事件や問題等には必ずと言ってよいほどSNSがどこかに絡んでいます。

例えば、問題となるような動画をアップして再生回数が凄いとか、
事件の直後にTwitterでつぶやいていたとか、過去にFacebook上でこんな問題発言をしていたとか。

国際的な事件でも上記の用語が飛び交います。

FacebookやTwitter、Youtubeは社会現象であると同時に企業にとってのリスク

あえて私が申し上げるまでもなことですが、
これに気が付いている会社とそうでない会社とはっきりと分かれつつあると感じます。

食品偽装や店員の不手際、従業員の怠慢や、会社の不利益につながるような情報発信。
顧客対応にも細心の配慮が必要となります。

今まではなあなあで済んでいたようなことが、すまなくなってきているわけですね。

最近でも、カップ麺に異物混入があったとして画像がWEB上にアップされた。
これなどはTwitterの話です。

一個人が行なった画像の投稿があれだけの影響を与えることになりました。
企業の相談受付の方はそこまでの問題意識が無かったのでしょう。

つまり何が言いたいかと申しますと、これらのWEB上のツール(SNS)が企業にとって、
大きなリスクになり得るということ。それを知らないとまずいということなのです。

顧問先企業にもこういう情報をお伝えできた方が良い

これは厳密には税務とか会計のお仕事には関係のないことなのかもしれません。
しかし、税務調査の時に社長のSNSが調査官に事前に見られているといった話は、
以前から言われていることです。

こういう情報に明るい先生であれば、何が問題なのか、どうすれば良いのか、
気を付けるべきポイントは、などご理解され、それを社長様に伝えていることでしょう。

しかし、SNSに対して全くの無知ですと、こういったリスクに対しての警鐘を鳴らすことが出来ないわけです。

「FacebookとかTwitterは情報漏えいが怖いからやらない」とか、
「Facebookで何を投稿すればいいかわからないし意味が分からない」とか、
「Youtubeなんて誰も見ないよそんなに暇じゃないし」とか。

そういう意識のままで、新しいものを遠ざけていると、
新しい時代の変化に取り残されてしまいます。

営業や広告宣伝というものももちろんそうなのですが、
社会全体に取り残されてしまうわけです。

極端な話をすると「日経新聞やテレビのニュースを見ていても何を言っているか理解が出来ない」
そうなってしまうと危険です。

やってみないと絶対にわからない仕組み

これは、決して小ばかにしているわけではありません。
私自身、SNSとかクラウドというものについては、最初は全く無知でした。
私だって最初は何も理解できていなかったのです。

若者に勧められるまま、Twitter、Facebook、youtube、Gmailなどを使い始め、
Iphoneを持ち、ipadを使い、そうやって身に付けてきました。

使っているので、一企業がおかしてしまった問題が「拡散」して社会問題になることが理解できます。
顧客担当が誤った対応をしてしまうことで、企業が大きな打撃を受けるような状況になることもある
ということが分かります。

中小企業の経営者と一番密接に関わる外部の協力者である税理士先生や会計事務所の職員さん。
そういうお立場であるからこそ、SNSが持つリスクについて中小企業経営者にもお伝えすべきであると思います。
切り口は税務調査の話かもしれませんが、とにかく問題意識を高める必要があります。
【著者プロフィール】太田亮児(おおたりょうじ)|合資会社オオタキカク 代表
税理士・会計事務所の営業、マーケティング支援を行う。起業前は東京都内にある税理士法人に勤務してマーケティング業務を専任で手掛けた。2005年にオオタキカクを設立して独立。税理士事務所の個性を活かし各事務所の強みを磨き上げオーダーメイド式でマーケティングの仕組みを作り上げるサポートを行う。2010年に「税理士・会計事務所の儲かるしかけ」を同文館出版より出版し、税理士業界に特化したサービスを展開している。税理士向けの専門紙である税理士新聞(NP通信社発行)への連載記事を手掛けていたこともある。