税理士・会計事務所の営業は、否定から入らず、肯定から

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「新しいことを始める」

新規拡大や営業活動。
マーケティング、各種制作。

これらは大抵が「新しいこと」「新しい取り組み」です。
事務所様によっては全くの未知の分野であったり、
不慣れなジャンルであったりもいたします。

新しいことを始める時にも色々な感じ方があります。
例えば・・・

「わくわくする!」
「楽しみ!」
「面白そう!」
「自分も混ぜてほしい!」
「今度は何をするの?」

こういった前向きで健全な感じ方があります。

後ろ向きで不健全な感じ方もある

健全な感じ方もある一方で実に不健全な感じ方があることも事実です。

「また余計な仕事が増える・・・」
「よくわからないから専門家に丸投げしちゃおう」
「俺たちには関係ないことだ」
「そっちで勝手にやっていてよ」
「つまらないことばかりやって・・・」


新しい取り組みの芽をつぶすのは、上記のようなマイナスオーラが効き目があります。

「くさす」というやつです。

こどものころにお絵描きをしていたら、親からどのように言われましたか?

「まぁ素敵!お上手ね~!」
「私も一緒に描いても良い?」
「すごーい!これは何を描いたの?」


なんだかほっこりとうれしくなりますね。
こういう教育を受けてきた方はどちらかというと新しい取り組みに前向きな方が多いです。

一方で、

「くだらないもの描いてるんじゃないの!勉強しなさい!」
「うわっ!下手くそ!そんなのやめちまえ!」
「才能がないね・・・」


なぁんて言われたりしたら、やる気そのものがなくなります。
そして、「もう二度と絵なんか描かない!」というちょっとしたトラウマになります。

顧問先拡大のトラウマ

税理士・会計事務所の顧問先拡大に挑戦する際に、
否定から入ってしまう事務所様は、上述のような感じで、何かしらのトラウマをお持ちであるケースが多くあります。

一番多いのは「強いクレームを受けた」とか「税理士会から呼び出しを受けた」あるいは、
「同業事務所から陰口をささやかれている」など、第三者からの横やりです。

こどもの頃の気持ちに近いですね。

一生懸命やっているのに、横から口出しをされて、しかもそれが後ろ向きであったり、
全否定であったりすると、やる気がなくなってしまい、悪くするとトラウマになる。

とはいえ、ビジネスの現場でそのような弱いハートですと、衰退する一方です。
やるべきことはやらないといけないわけです。

否定的な雰囲気を緩和するためには、ルールを変え、方針を明確にすることが大事です。
例えば、「会議では否定から入らず、肯定から入ること」とか、「否定をするのなら代替案を必ず出すこと」とか。
そういうものを事務所のルールにしてしまうことです。

無論それでは、外部からの横やりは防御できませんが、
せめて内部では前向きに進められるようにしておきたいものです。

事務所をよくするためにやっているのにも関わらず、内部から後ろ向きのオーラが全開ッ!!
となってしまいますと、どんなに先生にやる気があっても長続きしません。
逆に所内を前向きにする。たったそれだけで、上手く行くケースもございます。
【著者プロフィール】太田亮児(おおたりょうじ)|合資会社オオタキカク 代表
税理士・会計事務所の営業、マーケティング支援を行う。起業前は東京都内にある税理士法人に勤務してマーケティング業務を専任で手掛けた。2005年にオオタキカクを設立して独立。税理士事務所の個性を活かし各事務所の強みを磨き上げオーダーメイド式でマーケティングの仕組みを作り上げるサポートを行う。2010年に「税理士・会計事務所の儲かるしかけ」を同文館出版より出版し、税理士業界に特化したサービスを展開している。税理士向けの専門紙である税理士新聞(NP通信社発行)への連載記事を手掛けていたこともある。