税理士事務所の営業どちらが効果的?|アナログかデジタルか

デジタルとアナログ
税理士事務所の営業はアナログが効果があるのか、
デジタルが効果があるのかどっちなんだ?

この質問は結構あります。

この、二者択一式の質問は実にナンセンス!です。

それ、例えばですが、
私が「デジタルですね」と言ったら信じますか?

「アナログっす!」と言ったら信じますか?
全く意味がないというか、不毛と言うか・・・。

「それ」を決めているのはお客様なのです

アナログが良いか、デジタルが良いかなんてものはコンサルタントに聞くもんじゃないです。
よっぽど先生のことを個別に考えてくれるコンサルタントでない限りは、聞いたらほとんどが間違います。
じゃぁ誰に聞けば良いかと言うと、お客様に聞けばいいんです。もうそれが正解。
コンサルタントに聞くのは不正解。もっというと、特定の商材を扱っている業者に聞くのは大問題。

何が不正解、大問題かと言うと、「偏り」が出るからダメなんです。

「偏り」というのは、「アナログ媒体はオワコン(終わったコンテンツという意味)だ」とか、「これからはSNSだから全シフトしたほうが良い」とか。かなり極端な思考を持って、先生に迫ってくる人の意見です。
特定の商材を扱っている業者であれば、自社商品が売れるようにエビデンス的なやつをいっぱいひけらかしながら、先生に迫ってきますよ。「Aは時代遅れですよ。これからはBの時代です!」てな感じです。そういった資料などを見たりすると、ふぅんって思いますけど、そもそもアナログ媒体って本当にオワコンなんですかね?

結局、「オワコンです」と言っている人がその媒体を使っていないってだけで、世の中には使っている人はいますし、結果を出している人もいる。お客様の中でもそういうものを望んでいる人たちもいる。だからお客様に聞けばいいんです。「どうですかね?」って聞けばいいんです。

例えば、お客様に聞いた時に、「いやぁアナログ媒体はオワコンだよね」と言う人が100人中100人だったら完全にオワコンなので、速やかに撤退したほうが良いですよね。でも、中には「今は逆にアナログの時代だよね」と言う人も必ず存在します。だったらオワコンじゃぁないですよね。

白か黒かではっきりするものと、はっきりしないものとが世の中にはあって、両方いいところあるんだったら、良いところ取りすればいいんじゃないの。というのが私の考え方です。どちらが効果的かという視点ではなくて、両方ともお客様が求めているようであれば両方やるべきでしょう。

時代はデジタルシフトなのは間違いありません

紙媒体が無くなって行く、アナログ的な営業活動は減少して行く。そういう流れはあります。飛び込みもテレアポもかなり減りましたよね。DMやFAXなども減りましたし、対面型のセミナーも減りました。でも世の中から消えてなくなってしまったかと言うと無くなりはしていない。

それは、そういう媒体からの情報をよしとする人が世の中に存在しているからではないかと思います。もちろん、それが効率的かどうかというのはありますけれど、アナログかデジタルかの二択にはならないわけです。

ハイブリッドです。ハイブリッド。今の時代の税理士事務所のマーケティングはハイブリッドが正解。どちらかに偏った手法は間違ってはいませんが、特定の層には確実にリーチできていないので、効率的かと言うと効率的ではないと私は考えます。どちらもバランスよくやればいいんじゃないですか。だってそれが効率的なんだもん。

紙媒体が世の中から無くなる時は、製紙業とか印刷業が世の中から全部なくなっちゃうとかそれくらいのインパクトのある出来事が生じたときですよ。そういうことにならない限りはなくなりはしないですよ。年々減少傾向になってくるのは否定しませんけど。
【著者プロフィール】太田亮児(おおたりょうじ)|合資会社オオタキカク 代表
税理士・会計事務所の営業、マーケティング支援を行う。起業前は東京都内にある税理士法人に勤務してマーケティング業務を専任で手掛けた。2005年にオオタキカクを設立して独立。税理士事務所の個性を活かし各事務所の強みを磨き上げオーダーメイド式でマーケティングの仕組みを作り上げるサポートを行う。2010年に「税理士・会計事務所の儲かるしかけ」を同文館出版より出版し、税理士業界に特化したサービスを展開している。税理士向けの専門紙である税理士新聞(NP通信社発行)への連載記事を手掛けていたこともある。