税理士事務所でSNSを使った営業・マーケティングって絶対に必要ですか?

SNS初心者
太田さん、
SNSって絶対にやらなきゃダメですか?

できればそういうのは、
あまり得意ではないので、
やりたくないのですが・・・。

そのようなお声を頂くこともあります。
やりたくないのであれば無理にやる必要は
無いと思います。ぶっちゃけ。

だって、それがストレスになるんだったら
やらないほうが健康的ですよ。絶対に。

ただ、営業活動の仕組みの中から完全に除外するのは危険ですよ?

「SNSが苦手」というのにもいくつかのパターンがあります。私が現場で見聞きするのは大体が次のものです。

1、いいね!とかフォローとかそういうのがもう面倒くさい
2、昼に何喰ったとかそんなのどうでもいい公表したくない
3、自分の知り合いが誰かとか知られたくない
4、事務所で導入しても誰が担当するか決められない
5、そもそもSNSってよく分からないので怖い

大体このなかのどれかか、いくつかか、全部です。気持ちはわかりますけどね。私もYouTube始める時や、Instagram始める時などはそういう気持ちが少なからずありました。「これやって何か意味あるのかなぁ~」とか、「こんなのやって誰が見に来るんだろう?」とかそういう感じです。

殆どの人がそういった漠然とした不安から、取り組むことの中から除外してしまうという選択をしてしまうわけです。そうするとどうなるかというと、「潜在見込み客となる方が用いる連絡手段が減る」ということなんですね?

ここが分かっているか否かがポイントだったりすると私は考えています。

税理士事務所への問合せ、電話、FAX、メール・・・以上ですか?

さていかがでしょうか?それ以外の連絡手段って存在していますか?でも、ほとんどが電話、FAX、メールじゃないですかね?別に悪い事ではありません。それが普通ですし、圧倒的大多数の税理士事務所がそうだと思います。

でも、世の中で何が起きているか、ちゃんと把握できている税理士先生や会計士の先生って、営業的な動き方が新しいですよ?そう。営業・マーケティングの仕組みが新しいんですね。何が新しいかというと、電話、FAX、メールをあんまり使わないんです。まぁ、電話は使わなくはないのでしょうけれど、FAX、メールはあまり使いませんよね。

え?じゃぁどうやって連絡取り合うの?って思うじゃないですか。私も最初そう思っていたんですよね。え?メールじゃないの?みたいな。でも、むしろ「え?まだメールなんですか?」みたいなことを言われたりするわけですよ。遠回しに^^まぁ、ですからそういう価値観というか、そういう世代であるというのが今のヤング(死語)なんですよね。

電話 ➡ 言った言わないになるしお互い時間が束縛される
FAX ➡ そもそも使わない
メール ➡ いちいち(Outlookとかの)メーラーを開くのが面倒くさい

こういう感じなんですよね。今のヤングって。でも、実は私もそっちの方が良いなぁって最近感じるようになってきているんですよね。チャットで良いじゃない。LINEで良いじゃない。「いつもお世話になっております」とか別にいらないじゃない。みたいな感覚です。もちろん使い分けはいたしますが、段々とそういう新しさに慣れてきつつあるんですね。

例えばどんな連絡手段があるのでしょうか?

電話、FAX、メール以外のツールで実際にどんな連絡手段があるのでしょうか。当社の場合、というものでいくつかご紹介をしてみたいと思います。

1、LINE
2、チャットワーク
3、Twitter
4、Facebook
5、Instagram

当社の場合はこれくらいですが、特に「1」「2」「4」については実際にそこからご連絡を頂き、お仕事を頂くといったことは普通にあります。もちろんある日突然、最初からLINEへの登録があるわけではなく、どなたかからのご紹介であったり、単行本をご購入いただけてから登録をして頂けたり、YouTubeを視聴していただき、そのあとTwitterを登録して頂けたりなど連絡手段に入る前に何か一つか二つかませていることが多いですが、連絡手段としては使われるわけです。

これ、信じられないかもしれませんけれど、ある日突然LINEにピロってメッセージが入ってきて、「ホームページ作りたいんですけど、相談に乗ってもらえますか」とかって来るんですよ。たまにですけどね?すると返信なんて打合せ中とかでなければ、秒で返信できる(←この言い回しは若者です^^)じゃないですか。もうね、現代人と言うのはそういう世界で生きているんで、それがお互いに心地よいと感じるんですよね。実際昭和50年生まれのおじさんだって、電話より良いなぁって思いますもんね。便利だし効率的ですよね。無駄がない。

上記で紹介したツールを当社が使っていなかったとしたら、もしかしたら接点を頂くことがなかったかもしれません。マーケティングの仕組みっていうのはこういうことなんですね?要は取りこぼしを無くそう!みたいなことなんです。今、SNSを全く運用していない税理士事務所さんは、そういったチャンスをことごとく取りこぼしているわけ。

早くこのチャンスロスに気が付いて欲しいのですが・・・

私は結構チャンスロスだと思いますよ?もともと当社はアナログの方が強い会社だったんですけど、電話かFAXかメールでした。特にFAXなんかはバリバリで使っていました。実は私も連絡手段としてのSNSは必要ないと数年前までは考えていたクチなんですね。ですから、SNSも連絡手段としてはあまり使っていなかった時期があります。

するとどうだったかというと、

SNSを経由して問合せなんてありませんでした

そりゃぁそうですよね。使っていないんですから。
でも、いつの頃からか徐々にですが、電話、FAX、メールを経由したお問合せが減って来たんですね?私思ったんですよ。「あれ?うちってもしかしたら、もう古い?」って。で、もともと不足していたSNSの血を入れ始めたんです。そうしたら、徐々にそこからの相談依頼が増えて行ったんですね。不思議なもんです。

真理をひとつお話しますとね?

お客様が「電話じゃなくてLINEでできないんですか?」って言ったら、LINEでできないとダメですよね。お客様ファーストですとか、お客様のためにとかって言うのならそこは合わせなきゃ。「メールはあまり見ないので、チャットワークでお願いできませんか?」って言われたらできるようにしたいですよね。だってそういうご要望なんですから、合わせてあげなきゃ。そういうことなんですよね。
【著者プロフィール】太田亮児(おおたりょうじ)|合資会社オオタキカク 代表
税理士・会計事務所の営業、マーケティング支援を行う。起業前は東京都内にある税理士法人に勤務してマーケティング業務を専任で手掛けた。2005年にオオタキカクを設立して独立。税理士事務所の個性を活かし各事務所の強みを磨き上げオーダーメイド式でマーケティングの仕組みを作り上げるサポートを行う。2010年に「税理士・会計事務所の儲かるしかけ」を同文館出版より出版し、税理士業界に特化したサービスを展開している。税理士向けの専門紙である税理士新聞(NP通信社発行)への連載記事を手掛けていたこともある。