効果的な顧客ターゲットと価格戦略

戦略
税理士事務所が効果的なマーケティングを展開するためには、まず顧客ターゲットを明確に絞り込むことが重要です。
多くの税理士事務所でよく見られる問題として、顧客の数を増やしつつ、質の高い顧客も同時に獲得したいという、相反する戦略が混在してしまうことがあります。

しかし、数と質を同時に追求するのは難しく、まずはどちらを優先するかを明確に決定することが大切です。

高付加価値戦略か低料金戦略か

税理士事務所の価格戦略には、高付加価値を提供する戦略と、低料金で多くの顧客を集める戦略があります。
質を重視する場合、顧問料を高く設定し、付加価値を提供できる限られた顧客層をターゲットにします。
一方で、数を重視する場合は低料金で多くの顧客を集めることが中心になります。
これらの戦略を混同してしまうと、顧客の混乱や事務所内の施策がチグハグになってしまいます。
しっかりと方向性を定め、一貫した戦略を持つことが成功のポイントです。

統一感のある戦略で事務所の魅力を最大化

戦略を定めずに事務所運営を行うと、顧客層やお問い合わせ内容に統一感がなく、満足度の低下につながる可能性があります。
事務所のホームページやその他のメディアを活用して、明確に高付加価値を提供するのか、低料金で幅広い顧客をターゲットにするのかを示す必要があります。
仮に両方を展開する場合でも、担当やサイトを分けるなどして、混乱を避ける工夫が求められます。
統一感のある戦略が、税理士事務所のマーケティング効果を高めるカギとなるでしょう。
【著者プロフィール】太田亮児(おおたりょうじ)|合資会社オオタキカク 代表
税理士・会計事務所の営業、マーケティング支援を行う。起業前は東京都内にある税理士法人に勤務してマーケティング業務を専任で手掛けた。2005年にオオタキカクを設立して独立。税理士事務所の個性を活かし各事務所の強みを磨き上げオーダーメイド式でマーケティングの仕組みを作り上げるサポートを行う。2010年に「税理士・会計事務所の儲かるしかけ」を同文館出版より出版し、税理士業界に特化したサービスを展開している。税理士向けの専門紙である税理士新聞(NP通信社発行)への連載記事を手掛けていたこともある。