なんだかんだ言ってもテレアポは強いという話【税理士事務所の営業】

税理士事務所にとって一番効果的な営業手法って何だと思いますか?
経験者がズバリお教えします!

今回説明する手法は、即効性があり費用対効果がとても高いです。
ただしハードルが高く注意が必要なので、しっかりとポイントを押さえて実践してみてください

「創業時はテレアポもやっていた」そのようなことをお話になる税理士先生は少なくありません。ゼロから税理士事務所を立ち上げた、顧客ゼロからのスタートであった税理士先生の中には、創業期にテレアポ、いわゆるテレマーケティングを実施していたという経験のある方も多くいらっしゃいます。

顧問先を獲得することの大変さを身をもって体感している先生の言葉は重いです。創業期の営業・マーケティング活動では多くのコストを販促費として投入することができないことが多いので、よりダイレクトな営業活動が選択される傾向があります。例えば、テレアポ、飛び込み営業、ポスティングなどです。

ダイレクトメールやリスティング広告、セミナーなどはよりコストがかかる取り組みなので、テレアポ、飛び込み営業、ポスティングなどと比べると取り組むハードルが少し高くなります。見込みとなる中小企業経営者によりダイレクトなアプローチとなることを考えると、心理的なハードルは高くなりますが、直接的なアプローチであるテレアポ、飛び込み営業、ポスティングが間接的な媒体よりも効果を出すことができるのは意外に思われるかもしれません。
電話をかけるアポインターの腕とトークスクリプト(話の台本)次第にはなりますが、上手にできれば中小企業経営者が税理士・会計事務所に抱いているダイレクトな気持ちであったり感想など、現場の生の声を聴きだすことができます。

例えば、経営者が抱いている税理士事務所に対してのニーズ、期待するサービス、何に満足をしていて、何に不満を感じるのか。現在の顧問料が妥当だと感じているのか、そうでないのか。税務顧問というものの価値をどのように感じているのか。聞き方次第で様々な情報を得ることもできます。

ただし、税務顧問の切り替えを前提としたテレアポは止めたほうが良いでしょう。テレアポで意図するのは、現在税理士事務所の顧問が無い事業者であったり、ちょうど税理士事務所を探していたといった社長さんです。そのような方に巡り合うためにはかなりの件数に対してアプローチをかけていくことが必要となります。

根気のいる業務になりますし、そもそも税理士業界の文化には合い難い手法でもあるので、取り組む事務所は少数です。しかし、これもきちんとルールに沿って実施することが出来れば、効果の高い手法なのです。
【著者プロフィール】太田亮児(おおたりょうじ)|合資会社オオタキカク 代表
税理士・会計事務所の営業、マーケティング支援を行う。起業前は東京都内にある税理士法人に勤務してマーケティング業務を専任で手掛けた。2005年にオオタキカクを設立して独立。税理士事務所の個性を活かし各事務所の強みを磨き上げオーダーメイド式でマーケティングの仕組みを作り上げるサポートを行う。2010年に「税理士・会計事務所の儲かるしかけ」を同文館出版より出版し、税理士業界に特化したサービスを展開している。税理士向けの専門紙である税理士新聞(NP通信社発行)への連載記事を手掛けていたこともある。