SNSの運用|税理士事務所でFacebook はやった方が良いか?

税理士事務所の先生から「Facebookをした方がいいですか?」という質問をたくさんいただきます。税理士事務所によって合う、合わないがありますので、考え方の基準についてお話します。

先生の性格や考え方、感じ方によって様々なので、一概に良い悪いということでもなかったりもいたします。

SNSという流行物があります。SNSというのは、ソーシャルネットワーキングサービスの頭文字をとったもので、Facebook、Twitter、LINE、インスタグラムなどのサービスを指します。数年前までは「そんなのやっても意味ないよ」とか、「税理士には適さないよ」といった声も多く、実際に取り組む税理士先生もごく僅かでした。

ところが令和になる前後あたりから、税理士先生がFacebookを始めたり、Twitterで情報を発信し始めたりといったことがケースとして増えてきたように感じます。もちろんそれよりもずっと前から、熱心に取り組んできた税理士先生もいらっしゃいますが、その割合がぐっと増えたと感じられるのがここ数年の出来事だと私は感じています。

これはおそらく、顧問先様であったり、税理士先生同士の集まりであったり、異業種交流会でのつながりなどがある中で、このSNSを使って連絡を取り合うといったことが増えてきたからなのではないかと思えます。「もうSNSから逃げることはできない」と観念(?)されるのでしょうか。はじめはしぶしぶとスタートされます。ところがその数週間後にお会いすると、その操作にも慣れ、様々な機能を使いこなしていらっしゃったりもします。

そのような光景をみると、税理士先生もSNSをやったほうが良いなと感じます。とはいえ、すべての税理士先生がSNSを使いこなすべきだとは私は考えません。SNSには向き不向きがあります。コミュニケーションツールですからコミュニケーションそのものに対して前向きに取り組めるか否かというのは大きいです。
税理士事務所の成功事例などで、SNSが営業で有効的なツールであるといったことを紹介されたので、「これでお客様を増やそう!」と思い立ってSNSをスタートするようなケースでは、絶対、とまでは言いませんがまずうまくいきません。

Facebookをやることで、いいねが勝手にどしどし集まってきて、情報発信をしたらバンバンシェアされて拡散されて見込み客にビシバシアプローチできる!などといったことはまずありません。でも、やったことが無い方って、そういうことを期待してしまうのですね。

例えば、芸能人などがTwitterなどで数万人~数十万人のフォロワーがいて、一言発したら数百のリツイートをされるなどといったことがありますが、一般の個人はそんな状態にはまずなり得ません。ツールとしては面白いツールですし、使いこなすことが出来れば運用の幅も大きいのですが、その運用というところまで考えてSNSを使っていくということがなかなか難しいのです。
【著者プロフィール】太田亮児(おおたりょうじ)|合資会社オオタキカク 代表
税理士・会計事務所の営業、マーケティング支援を行う。起業前は東京都内にある税理士法人に勤務してマーケティング業務を専任で手掛けた。2005年にオオタキカクを設立して独立。税理士事務所の個性を活かし各事務所の強みを磨き上げオーダーメイド式でマーケティングの仕組みを作り上げるサポートを行う。2010年に「税理士・会計事務所の儲かるしかけ」を同文館出版より出版し、税理士業界に特化したサービスを展開している。税理士向けの専門紙である税理士新聞(NP通信社発行)への連載記事を手掛けていたこともある。