第41号 既にニーズがあると分かっているものを商品化する

tetsujin_vol41
商品化の進め方について
新しく何かを創り上げるというのが私は好きです。「新しく創り上げる」 というと何か新規性のある凄いものである必要があるかというと、私は そうは思いません。機会があったらそういうお話をしてみたいと、以前から考えていました。今まさにその機会がやって参りましたので、自社の取り組みを参考にしながら、商品化の進め方について、まとめてみたいと思います。当社で新商品を立ち上げる時の考え方や流れというのは、税理士・会計事務所様で商品化について考えていく時にも当てはめることができます。当社のケースをモデルにしながら、税理士業界に落とし込んだとき、どういうことが考えられるかをご紹介します。先生方も一緒に、事務所サービスの商品化について考えてみましょう。

既にニーズがあると分かっているものを商品化する
税理士・会計事務所で「商品化」というものを考えとたき、先生はどのようなものを思い浮かべますか?今まで取り組んだことがないような全く新しいことにチャレンジすることを思い浮かべますでしょうか。業界初となるような奇抜で斬新な企画でしょうか。中にはそのような全く新しいものを「商品化」として考えることもあるかもしれません。
しかし、そのようなものは極めてハードルが高いものであるといえます。新たに立ち上げるサービスの商品化に数千万円とか数億 円とかそういったレベルでコストを投じることができるような事務所様であれば、新規性のある商品化が成立するかもしれませんが、多くの場合はそこまでの取り組みはハードルが高すぎます。オオタキカクだってやってみたいとは思いますが、そんな莫大な資金を商品化というものに投じることなどはできないのです。
今回ご紹介したいのは、当社のように小規模の事業者が取り組む商品化の進め方です。お料理のレシピのように、仕込みや手順、 容量(要領)などで手間暇かけてやる必要はありますが、順序だてて進めれば誰にでも出来ます。ところが、この業界で「商品化」という概念を正しくつかんでいる事務所様は多くはありません。
今まで取り組んできたものを、新しくデザインしてあることが商品化
私が考える、「商品化」はそんなに難しいものではありません。今まで日常的に 取り組んできたサービスやサポートの業務を一部切り抜いたり、ITなどの新し い要素を組み合わせたり細分化したり、まとめたりして、新しくデザインをして あげることで出来上がるものです。
「新商品開発」となると、それこそ膨大な時間と労力がかかりますが、今まで既 に取り組んできた諸々の事を商品としてデザインしてあげるということなので、 ゼロから立ち上げるよりも難易度はぐっと下がります。税理士事務所様であれ ば、記帳代行や会社設立の仕事、相続・事業承継、特定業種へのサポート、 税務調査の立ち合い、決算前検討会など色々とあります。

今回お伝えしたい要点は次の2点です。
①既存業務を商品化すること
②競合する事務所サービスとの同質化を避けること

これは、「儲けるために」やることではなく、お客様のためにやることです。 よりよいサービスをご提供して行くためにも、この商品化の考え方は、きっとこれからの税理士事務所には求められるものになるはずです。

合資会社オオタキカク 代表 太田亮児
ニュースレター_note