税理士事務所の営業は「営業の種類」を理解して取り組もう

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「営業」というとどのような活動をイメージしますか?「ノルマ」とか「売込み」といったイメージが強くありませんか?上手に商品説明をしてお客様からの質問に対して華麗に受け答えをするようなシーンがイメージできます。「営業」=「セールス」と捉えると、そのようなイメージが先行するのも当然です。

しかし、税理士事務所の営業は一般的にイメージされるような営業とはかなり異なります。税理士事務所の営業イメージは、「説明して納得してもらう」といったイメージです。税理士事務所の営業は、目に見えるモノを扱っていないサービス業です。モノであれば機能やデザインなど目に見える事柄を売り込むことが出来ますが、サービスはそうは行きません。
このように考えますと、営業というものには種類があるということがイメージできるかと思います。一般的に営業に対して良くないイメージを持ってしまいますと、ノルマ、飛び込む、セールス、売込み・・・このような押し売り感が漂う印象が生まれます。

この記事をご覧いただけている先生はぜひ、そのようなイメージを持たないで欲しいです。もうひとつのイメージは、カウンセリング、ヒアリング、診断、診察・・・そのような穏やかで心優しい印象を持っていただきたいのです。

税理士事務所の営業マンとは

前者のイメージですと、どうしても営業力の有る元気で口の達者な営業マンである必要がありそうですが、後者であれば軽快なトークが出来なくても、日本語を話すことが出来るのであれば大丈夫です。話す速度がゆっくりでも、お話になる言葉が小さくても(極端に小さい場合は良くないかもしれませんが)、お客様からの質問や相談に対して真摯にお答えし、ご相談者様のお悩みを解消して差し上げることが出来れば成立します。

税理士事務所の営業はここを目指すべきであると私は考えます。心理カウンセラーが静かにゆっくりと患者さんのお話を聞いて差し上げるような雰囲気をイメージしていただきたいのです。そのうえで、税理士事務所様としての的確な回答をご用意できれば俗にいう営業的なテクニックなどは不要です。
【著者プロフィール】太田亮児(おおたりょうじ)|合資会社オオタキカク 代表
税理士・会計事務所の営業、マーケティング支援を行う。起業前は東京都内にある税理士法人に勤務してマーケティング業務を専任で手掛けた。2005年にオオタキカクを設立して独立。税理士事務所の個性を活かし各事務所の強みを磨き上げオーダーメイド式でマーケティングの仕組みを作り上げるサポートを行う。2010年に「税理士・会計事務所の儲かるしかけ」を同文館出版より出版し、税理士業界に特化したサービスを展開している。税理士向けの専門紙である税理士新聞(NP通信社発行)への連載記事を手掛けていたこともある。