税理士事務所と営業について

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営業に熱心な税理士事務所

この言葉には様々な意味合いが含まれています。
特に業界単位で考えたときに、深みのある言葉です。

・広告宣伝が巧みな事務所
・積極的に広告宣伝費を投じる事務所
・目立つ事務所
・急拡大をする事務所
・タレント性のある先生

などです。
意味合いとしては、「凄い」「尊敬する」というものもあれば、
「そんなに一生懸命にやらなくても」といった、
少し皮肉混じりな意味合いで使われることもあります。

そもそも「営業」というのは何なのか?

税理士・会計事務所にとって「営業」とはいったい何を指すのでしょうか。
ここは人によって定義が異なります。

ダイレクトメールやホームページ、セミナーの開催等を指して「営業」とすることもありますし、
直接お会いして商談することを「営業」とする場合もあります。

更には「紹介をいただくこと」であったり、
日々の監査訪問業務を指して「営業」とするケースもあります。

「今年は営業に力を入れる!」という目標を打ち出す先生もいらっしゃいますが、
実は「営業とは何か?」を明確に説明できるケースはまれです。

つまり「お客様を増やすために、何か頑張ろう」といった意味合いの言葉となります。

「営業」の定義づけをしてみてはどうでしょうか。

「当事務所にとっての営業とはこういうことである」

という定義づけをしてみることをお勧めしたいところなのですが、
ここがまたなかなかに難しい。

例えば、
「ブログを更新しよう」とか「Facebookを更新しよう」といったものがあったとき、
その取り組みが営業として考えるのには少しずれているといったことがあるのです。

ブログを更新しても、Facebookを更新してもあまり意味を成さないケースもあります。
つまり、営業活動になっていないというケースです。

マーケティングの一手法を抜き出してそれに取り組んだとしてもあまり意味はありません。
「ホームページを作る」というのも、もちろんひとつの取り組みですが、
それが営業であるとはいえません。

「飛込みをする」とか「ポスティングをする」といったものにしても、
アクションプランのひとつではあるものの、それだけでは成果は出ないでしょう。

もっと先に考えるべきことがあります。

それはどういうお客様と関与をスタートしたいか、ご契約したいかというイメージの構築です。
私は「企画」と呼んでいます。

更に、3年後、5年後事務所をどうしたいのか。
中長期の事務所の方向性、方針を定めることです。

今事務所が本当に必要なことは営業なのか。
ひょっとしたら所内体制の整備かもしれません。
報酬体系の見直しかもしれません。
サービスの整理整頓かもしれません。

よく考えないと、
営業に力を入れてしまったがために、
事務所の中心軸がずれるといった自体が生じることがあるのです。

ただ、なんとなく、営業をしなきゃ。

といった考えでスタートすべきではない。

かもしれません。
【著者プロフィール】太田亮児(おおたりょうじ)|合資会社オオタキカク 代表
税理士・会計事務所の営業、マーケティング支援を行う。起業前は東京都内にある税理士法人に勤務してマーケティング業務を専任で手掛けた。2005年にオオタキカクを設立して独立。税理士事務所の個性を活かし各事務所の強みを磨き上げオーダーメイド式でマーケティングの仕組みを作り上げるサポートを行う。2010年に「税理士・会計事務所の儲かるしかけ」を同文館出版より出版し、税理士業界に特化したサービスを展開している。税理士向けの専門紙である税理士新聞(NP通信社発行)への連載記事を手掛けていたこともある。