税理士事務所が商品化することによる営業上の大きなメリット

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「商品化」

さて、この言葉を見て何を考えますか?

1、新設法人サービス
2、記帳代行サービス
3、法人設立サービス
4、相続相談サービス
5、特定業種サポート

などでしょうか。
一般的には上記のようなものを「商品化」として、
お考えになることが多いように感じられます。

商品であって商品ではない?

実は前述の1~5というものは、厳密に考えますと「商品」ではありません。

もちろん「商品としての価値が無い」という意味ではございません。

言ってみれば上述の内容は、「サービス内容のラインナップ」であって、
「商品」ではないのです。

これ、意味、お分かりになりますでしょうか。

ちゃんと商品化をしようといたしますと、まず、決めなければいけないものがあります。
それは「名前」です。商品の名前です。

実はここがほとんどのケースで抜け落ちます。
発想として出てこないことが殆どなのです。

実際簡単なようでいて、結構難しいものでもあります。

サービスに商品名がつくと何が良いのか?

人間と言うものは不思議なもので、
「商品ではない」「サービス」に対しては値引きを要求します。

「サービス」という名称が良くないのか、「もっとやすくしてよ」と言いやすいものです。
「サービス」だけではなく、「顧問料」「決算料」「代行料」など一般的に用いられる用語も、
ただそれだけで用いていますと格好の値引き対象になります。

それは、比較対象が明確に存在するからです。

「顧問料」という名前の税理事務所のサービスっていくつあるでしょうか?
税理士事務所の数だけ、同じ商品名のサービスがあるわけです。

当然ですね。

するとどうなるでしょうか。

「別の事務所でもっと安い顧問料があるからもっと安くして」と言います。

顧問料VS顧問料 となるわけですからこれはある意味仕方がない。

だって、名称が同じなのですから。

いくら「うちの顧問サービスは他事務所の顧問サービスと違う!」と言ったって、
名前が「顧問料」である以上、お客様の目には「顧問料」です。

商品名の無い清涼飲料水は無い

コンビニなどに行くと清涼飲料水のコーナーがありますが、
どの飲料にも商品名がついます。

お茶、コーヒー、ビール、お水。

それぞれの商品にそれぞれの値付けがしてあります。
標準価格もあれば安いものも、高いものもあります。

高いものであれば差別化をしていたり、ブランド力があったりします。
安いものでも安いというブランドを構築しています。

税理士・会計事務所が提供するサービスもすべからくこのようになりたいものです。
提供するサービス自体に大きな差と申しますか、違いは出てこないものも中にはあるでしょう。

しかし、先生が想い描く理想のサービスは先生ごとに異なるはずです。
その想いを「商品名」というネーミングに乗せて形にしてみるのです。

まず、値引き交渉が減ります。
きちんとプロモーションすればその商品が売れるようになります。

「先生のところ顧問いくらですか?」ではなくて、
「先生のところの○○○って商品を契約すると何があるの?」と言ってもらえるようになる。

そんな取り組みかたもあるのです。
【著者プロフィール】太田亮児(おおたりょうじ)|合資会社オオタキカク 代表
税理士・会計事務所の営業、マーケティング支援を行う。起業前は東京都内にある税理士法人に勤務してマーケティング業務を専任で手掛けた。2005年にオオタキカクを設立して独立。税理士事務所の個性を活かし各事務所の強みを磨き上げオーダーメイド式でマーケティングの仕組みを作り上げるサポートを行う。2010年に「税理士・会計事務所の儲かるしかけ」を同文館出版より出版し、税理士業界に特化したサービスを展開している。税理士向けの専門紙である税理士新聞(NP通信社発行)への連載記事を手掛けていたこともある。