琵琶湖一周「ビワイチ」と「マーケティング」の考察

よし!琵琶湖を一周しよう!

ビワイチ
2024/8/10~8/11に琵琶湖を一周しました。 
何故か無性に自転車で琵琶湖を回りたくなったのです。 

今回は日頃、運動不足気味のおじさん(48才)が、 
ある日突然、琵琶湖一周を行った際に感じた、
マーケティング活動との関連性についてまとめてみたいと思います。 

思いのほか、経営活動やマーケティング活動に、 
関連性があり学びにもなりました。

明確な目標があることが素晴らしい

琵琶湖
自転車を漕ぎ始めて、まず初めに感じたのが「明確な目的」があることのありがたみです。

ビワイチの場合、「琵琶湖を一周する」という明確な目標があり、ビジョンがずれることがありません。

1周200キロ近くある琵琶湖を1泊2日で1周するわけですので、1日目でどれくらい行って、2日目でどれくらい行くかといった中期計画も立てられます。

琵琶湖1周という課題があり、1泊2日という小分けにした目標がある。こうやって計画立てて行かないといけないなと、1日目の元気なうちに感じたのです。
マーケティングでよくあるのが、明確な目標が無いケースです。
例えば、「3年で事務所の規模を倍にする」とか、
「1年で顧問先を10件増やす」とか、「5年で相続受任を地域一番にする」といった目標です。

これが琵琶湖一周と同じような意味合いを持つ目標として考えた時に、
その目標が無い。

その目標が無い中で、ホームページを作ろう、DMをやろう、Facebookをやろうとしてしまうと、
中期計画、短期計画から先に着手してしまう事になりますから、
本来の目的となるべき琵琶湖一周ができなくなってしまったりします。

ペース配分が大事

琵琶湖
琵琶湖
私の場合、ビワイチは体力との闘いでありお尻との闘いでもありました。 (長時間自転車に乗っていると、お尻が痛くてどうしようもなくなります)

運動不足がたたってか、初心者で1周10時間~14時間かかるといわれていたものが18時間近くかかり、死にそうになりながらの自転車旅でした。 なぜそんなに時間がかかったかというと、「ペース配分が分からなかったから」 かもしれません。 元気なうちにガンガンスピードを出して一気に進んだ反動で、 後半に体力が残っておらず、ひん死状態となったわけです。

一時的にスピードをものすごく出して移動するよりも、スピードはゆっくりでも持続してずーっと走り続けられる方が結果的にはより遠くまで時間をかけずに移動することができます。
マーケティング活動においてもペース配分は大事です。
例えば、一定の成果をあげるために、年間で120万円の予算を計上したとします。

これ、ペース配分を間違えてしまうと、
最初の一カ月で120万円つかってしまうといったことになります。
当然ですが、残りの11か月間は活動ができなくなりますので、
その時点でおしまいです。

1年でならして行くのであれば、
分かりやすくすると月10万円の12ヵ月ですので、
そこはきっちりと守ってあげたほうが、効果測定がしやすくなります。

ここら辺のペースが定まっていない状態でマーケティング活動に取り組んでしまうと、
安定的な顧問先拡大というのは難しくなります。

寄り道をするとその後の予定が全て狂う

琵琶湖博物館
佐川美術館
木和田神社
気楽な自転車旅でしたので途中で琵琶湖博物館に立ち寄り、佐川美術館に立ち寄り、
木和田神社に立ち寄り・・・。と微妙に寄り道をしたりもしました。

寄り道は1日目が多かったのですが、
30分、1時間の寄り道は、その時には大したことはなかったわけなのですが、
時間が経つにつれてそのしわ寄せが驚くほど大きく感じられました。
年間で大きな目標設定を行い、
ペース配分も決めて活動を進めている最中に、
ふと別の企画モノが気になってしまい、それを実施する。

そういうことがあると思います。
もちろん、それができる事務所規模であれば問題がありませんが、
当社のように、少数で運営しているような組織体の場合は、
マーケティング的な「寄り道」は、目標未達の前触れになります。

例えば、年間120万円の予算を組んでいた取り組みの中に、
寄り道的な企画が出てきた場合、当初のプランはそのままで遂行できればよいのですが、
多くの場合120万円の予算を再配分して60万×60万に分割してしまったりするといったことが起きます。

こうなるとどちらも中途半端で当初想定していた目的を達することができなくなることが多いです。

これは、事務所で年間かける広告宣伝費、マーケティング活動費を、
金額ベースで決めている事務所さんで多いことなのですが、
上限値が決まっていて、その配分も決めているということがあった時に生じます。
上限が決まっていますので、途中で新しいことをやろうとすると、
既に配分が決まったところの予算編成を修正することで、新しいこともやるというわけです。

その判断が正しいか否かはやってみないと分かりませんが、
少なくとも、最初に決めたなにがしかの「ビワイチ」という目標は、
半周にするとか、2泊3日にするとか、電車に乗って帰って来るなど、
当初目的としていた設定を根本から変更しなければいけなくなります。

この、修正がかかったのにもかかわらず、
目標設定が元のままという状況になってしまいますと、
どう考えても無理な要求になってしまいますので、
悪くすると担当者のモチベーションが激下げになってしまいます。

そんな無理な状況が起きないように

明確な目標を持ち、
ペース配分を意識しながら、
目標達成に影響がない寄り道をしない

この3点を意識して実務に励んで行こうと感じた次第です。


【著者プロフィール】太田亮児(おおたりょうじ)|合資会社オオタキカク 代表
税理士・会計事務所の営業、マーケティング支援を行う。起業前は東京都内にある税理士法人に勤務してマーケティング業務を専任で手掛けた。2005年にオオタキカクを設立して独立。税理士事務所の個性を活かし各事務所の強みを磨き上げオーダーメイド式でマーケティングの仕組みを作り上げるサポートを行う。2010年に「税理士・会計事務所の儲かるしかけ」を同文館出版より出版し、税理士業界に特化したサービスを展開している。税理士向けの専門紙である税理士新聞(NP通信社発行)への連載記事を手掛けていたこともある。