【熟練度】税理士事務所が行うダイレクトメール

ダイレクトメールの運用で発揮される熟練度の考え方

ダイレクトメール
税理士事務所が行うダイレクトメール熟練度について考えてみます。
熟練度というのは、経験と言い換えても良いかもしれません。

同じダイレクトメールの運用でも、熟練度のありなしによって、成果として出てくる結果にも違いが生じます。

熟練度の高い方ほど、「そうそう」とご理解いただけると思いますが、熟練度の低い方ほど、「そんなの関係ない」と感じるかもしれません

税理士事務所のダイレクトメール営業には3つの熟練度がある

1、ターゲッティング
ダイクレクトメールを送るわけですから、リストを整える必要があります。
まずはこのリスト化の部分での熟練度があります。
リスト自体の質が良いものでなければ、結果は伴いません。
経験のある方ほど、この質にはこだわります。

2、「1」に適した企画
ターゲッティングと合わせて、企画も同じくらい大事です。
良質のリストがあっても、お届けするDMの内容(企画)が良くなければ意味がありません。
「1」と「2」を合わせる技術も熟練度として求められるところになります。

3、媒体
更にお届けする媒体の質です。媒体の種類と考えてよいです。
それは、はがきなのか、チラシなのか、封書なのか、サイズはどうなのか、紙質はどうなのか。
そういう要素をしっかりと考えて作り込んでいるか?そういう熟練度です。
慣れていれば、「1」「2」の要素があれば、「3」で何が適しているのかがある程度分かります。

そもそもの広告宣伝活動における熟練度

ダイレクトメールということですので、リスト代、郵送代、DMの制作代といったコストがかかります。

当然ですが、取り組むことが初めてだという方は、ここら辺の勝手がわかりません。

どれくらいのコストがかかるのか、一件のお問合せをいただくまでにどれくらいの時間がかかるのか、どれくらいの物量が必要なのか、どれくらいの成約率なのかがわかりません。

正確に申し上げると、それは誰にも分かりません。
分かりませんので、慣れている人は最初にテストマーケティングを行います。

一定期間、ある程度まとまった活動をテストとして実施します。
このテストマーケティングにも熟練度があります。

個別の営業対応にも熟練度がある

いざDMを実施したとしてお問合せをいただいたとします。
その先の営業対応でまた差がでます。ここも熟練度です。

1/2で決めることができる、1/3で決めることができる、1/5でも決まらない。
等、様々です。

ここら辺は前述の「1」「2」「3」の要素も関係しますが、事務所の状況、環境、競合事務所の存在、商品・報酬などの要素によっても、当然変化するものです。
このように考えてみますと、

ダイレクトメールを何通送ったら何件契約が決まるか?
Google広告にいくら突っ込めば何件問合せがあって何件決まるか?


などということは、簡単にはじき出せるものではありません。

仮に、大手税理士法人Aが「ダイレクトメールの成約単価は10万円だ」と言ったとして、それをそのまま鵜呑みにして自分の事務所でも同じ結果になるか?
というと、まずなりません。

それは、 大手税理士法人Aが有しているダイレクトメールに対する熟練度が、この言葉の中には入っていないからです。

ここら辺の行間を読むことができませんと、営業マンの巧みな営業トークに簡単にやられてしまいます。

例えば、
「うちで広告を出せば年間10件は契約が決まりますよ」とか、
「この手法でまずは300万おさめてくれれば相続案件が最低5件決まりますよ」とか。

前提条件が全く見えない状況下で成果だけが約束されるという、恐ろしいことが起きます。

年間10件決まるのが約束されるであれば、成約単価を年額200万円とかに設定したら良いわけです。
10件決まるのですから。
しかし、それは流石にあり得ないわけで、年額20万円でやってください、15万円でやってくださいみたいな話になるわけです。熟練度があるとこういうトリックがあっても直ぐに分かるわけです。
【著者プロフィール】太田亮児(おおたりょうじ)|合資会社オオタキカク 代表
税理士・会計事務所の営業、マーケティング支援を行う。起業前は東京都内にある税理士法人に勤務してマーケティング業務を専任で手掛けた。2005年にオオタキカクを設立して独立。税理士事務所の個性を活かし各事務所の強みを磨き上げオーダーメイド式でマーケティングの仕組みを作り上げるサポートを行う。2010年に「税理士・会計事務所の儲かるしかけ」を同文館出版より出版し、税理士業界に特化したサービスを展開している。税理士向けの専門紙である税理士新聞(NP通信社発行)への連載記事を手掛けていたこともある。