効果測定の究極は「原因不明」

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効果測定というものはとても大切です。

ダイレクトメールからなのか、異業種交流会からなのか、ホームページからなのか、セミナー参加者なのか、紹介なのか・・・。

どれかに偏りがあったり、何が効果があったのか。

効果測定をしなければ分からないことがたくさんあります。
効果測定がきちんとできれば、販促費用の配分もやりやすくなりそうです。

測定しきれない効果を見落とさないで!

効果測定で偏りがちなのは、「セミナーに参加をして」とか「ホームページを見て」、「ダイレクトメールを見て」といったものが考えられます。
しかし、ここでひとつの問題が出てきます。

そもそも「セミナーに参加をした方」はどこからやってきたのか?
という点を見逃してはいけないということがあります。

例えば、契約のきっかけとなったことが「セミナー」であったとしても、 そもそも、その方との接点は資料請求だったかもしれませんし、紹介があった方なのかもしれません。
そう考えると、真の効果、効果の大本は実は「資料請求」や「紹介」にあったということです。

しかも最近ですと、「資料請求」をした後に、ホームページを見て、 ブログの記事を読んで、Facebookを見て、その後セミナーに参加をした人なのかもしれません。
ここではブログ、Facebook、セミナーと出てきましたが、「資料請求」が大本の効果であると認識すると、ブログ、Facebook、セミナーは効果として認識できなくなります。
難しいですね。

では、お客様に聞いてみてそれらがわかるか?

分かるケースもあります。
「資料請求」をして「ホームページ」を見て、「メールマガジン」に申し込んで「ブログ」を読んで、「セミナー案内」が届いたので「FAX」で申し込んで「セミナー」に参加をした。

と流れを記憶してくださっており回答してくださることがあるかもしれません。
しかしながら、そこまで細かく覚えていることはありませんし、 覚えていてくれたとしてもそこまで親切に教えてくれる事もないでしょう。
お客様が口にしてくれないものだから効果が無いかというとそういうことでもありません。

目に見えないものの効果をどのようにしてはかるのか。

これは本当に難しいことなのですが測定しきれない効果を見落としてはいけません。
そういう視点も大事です。
特に最近では「ホームページを見ました」といったようなことも、わざわざお客様は教えてくれません。
そうすると「ホームページは見られていない」とか「効果が無い」といった判断をしてしまうこともあるので、注意が必要です。

色々と軌道に乗り始めると効果は原因不明となってくる

広告宣伝活動を何もやっていませんと、お客様がやってくる経路が限られます。

例えば、ホームページしかもっていないで他に何もやっていないのであれば、経路は「紹介」か「ホームページ」以外ありません。
しかし、色々な活動に取り組み始めるといろいろなものが複雑に絡み合い、前述のような測定しきれない状況というものが生じます。
それがよくないかというとそういうことではありません。

当社でお手伝いをさせていただいている事務所様は、色々な取り組みを進めていると、最終的に「何がきっかけで契約になったかわからない」といった不思議な現象が起きてきます。
実際、お客様自身も色々な媒体に触れていたりしますと、何がきっかけだったのかよく分からないということになったりします。

最終的にはですが、これが最終系と申しますか理想系となります。

「色々」というのが随所で機能し始めると、それは仕組みとして動き出しているということなので、自分でも何がきっかけでそうなったのか分からなくなるのです。

【著者プロフィール】太田亮児(おおたりょうじ)|合資会社オオタキカク 代表
税理士・会計事務所の営業、マーケティング支援を行う。起業前は東京都内にある税理士法人に勤務してマーケティング業務を専任で手掛けた。2005年にオオタキカクを設立して独立。税理士事務所の個性を活かし各事務所の強みを磨き上げオーダーメイド式でマーケティングの仕組みを作り上げるサポートを行う。2010年に「税理士・会計事務所の儲かるしかけ」を同文館出版より出版し、税理士業界に特化したサービスを展開している。税理士向けの専門紙である税理士新聞(NP通信社発行)への連載記事を手掛けていたこともある。