「しつこい」くらいが、ちょうどいいこともある

目次

  • セミナー集客で考えたい“リマインド”の大切さ
  • お客様は、興味がないのではなく、忘れているだけかもしれない
  • 1回伝えただけでは、届いたことにならない
  • リマインドは、押し売りではなく、参加しやすくする仕組み
  • 遠慮しすぎると、機会を逃すかもしれない
  • 大切なのは「何回送るか」より「どう設計するか」
  • “忘れられる前提”で考えるのが現実的
  • 遠慮より、親切設計を

セミナー集客で考えたい“リマインド”の大切さ

リマインド
先日、あるオンラインセミナーに参加したのですが、開催前のリマインドメールが4回来ました。正直に言うと、少し「多いかな」「ちょっとしつこいかも」と感じる部分もありました。

ただその一方で、こうも思いました。
これくらいやってもらわないと、うっかり忘れてしまうのも事実だな。
実際、日々忙しくしていると、申し込んだ時点では参加する気があっても、その後の業務や予定に追われているうちに、セミナー当日の予定を見落としてしまうことがあります。

そう考えると、リマインドは「多すぎる」のではなく、むしろ必要な配慮なのかもしれません。そしてこれは、税理士・会計事務所のマーケティングにもそのまま当てはまる話だと感じました。

お客様は、興味がないのではなく、忘れているだけかもしれない

事務所側からすると、
「一度案内したから伝わっているはず」
「もう送ったので、あとは反応を待てばいい」
「何度も連絡すると嫌がられるのではないか」
そう考えてしまうことがあります。

ですが、受け手側の現実は少し違います。
お客様も見込み客も、毎日とても忙しい。
メールも届く。
LINEも来る。
電話もある。
目の前の仕事も次々に入ってくる。

そんな中で、こちらからの案内を一度見ただけで、きちんと覚えて、予定に入れて、行動に移してもらえるとは限りません。 つまり反応がない理由は、
「興味がなかった」からではなく、
単に忘れていた、
後で見ようと思ってそのままだった、

というケースもかなり多いのです。

ここを誤解すると、せっかく良い企画や案内をしていても、機会損失が起きてしまいます。

1回伝えただけでは、届いたことにならない

マーケティングでは、伝えた回数と、相手に届いた回数は一致しません。
こちらは1回送れば「案内した」と思います。
でも相手は、そのメールを開いていないかもしれない。
開いても、移動中で流し見だったかもしれない。
読んだけれど、別の連絡が入り、そのまま忘れたかもしれない。
スケジュールに転記することをうっかり忘れているかもしれない。

つまり、1回の案内だけでは、実質的には「届いていない」のと近いこともあるのです。だからこそ、セミナー案内や個別相談の募集、キャンペーン告知、イベントの参加案内などは、複数回のリマインドを前提に設計したほうがうまくいきます。

今回の体験を通じて、4回くらいは必要なのかもしれないと感じたのも、そのためです。

リマインドは、押し売りではなく、参加しやすくする仕組み

ここで大切なのは、リマインドを「しつこい営業」と考えないことです。もちろん、送り方によっては押しつけに見えてしまうこともあります。 ただ、本来のリマインドはそうではありません。リマインドの役割は、相手を無理に動かすことではなく、動こうと思っていた人が動きやすくなるようにすることです。

たとえばセミナーであれば、
・申込後すぐの受付確認
・開催1週間前のご案内
・前日の再通知
・当日の開始前の最終案内

このように段階的に伝えることで、相手は予定を確認しやすくなり、参加率も上がります。これは親切であり、実務的でもあります。

税理士・会計事務所でも同じです。相続相談会、事業承継セミナー、採用説明会、経営計画セミナー、顧問先向け勉強会など、参加してほしい案内ほど、1回で終わらせないことが大切です。

遠慮しすぎると、機会を逃すかもしれない

税理士・会計事務所は、比較的まじめで控えめなところが多い印象があります。

そのため、
「何度も送るのは失礼ではないか」
「売り込みっぽく見えたくない」
「一度伝えたのだから、あとは相手次第だろう」
と、遠慮してしまうことがあります。

ですが、その遠慮によって、本来参加したかった人、知りたかった人、申し込みたかった人との接点が切れてしまうのは、非常に残念なことであるといえます。むしろ、相手にとって価値のある案内であれば、適切な回数のフォローは歓迎されることもあるわけです。

問題なのは回数そのものではなく、相手にとって必要性のある内容かどうか、伝え方に配慮があるかどうかです。

大切なのは「何回送るか」より「どう設計するか」

では、ただ回数を増やせばいいのかというと、そうではありません。大事なのは、同じ文章を何度も機械的に送ることではなく、段階に応じて意味のある案内にすることです。

たとえば、
1回目は「開催のお知らせ」
2回目は「こんな方におすすめです」
3回目は「参加すると何が得られるか」
4回目は「明日開催です・当日の参加方法はこちら」

というように、少しずつ役割を変えるだけでも印象は変わります。これなら、単なる繰り返しではなく、参加の判断をしやすくし、参加忘れも防ぐ流れになります。

“忘れられる前提”で考えるのが現実的

マーケティングでは、「良い内容なら一度で伝わるはず」と考えたくなります。でも実際には、どれだけ良い内容でも、相手は忘れます。忙しいからです。悪気はありません。

だからこそ、忘れられる前提で設計することが重要です。これは悲観的な考え方ではなく、現実的な設計です。お客様や見込み客の行動を助けるために、こちらが少し丁寧に、少し多めに、少し先回りして案内する。その積み重ねが、参加率や反応率の差になって表れます。

遠慮より、親切設計を

今回のオンラインセミナーのリマインドメールを受け取りながら、少し多いと感じつつも、「でも、これくらい必要なのだろうな」と納得したのは、実際の人の行動をよくわかった設計だと感じたからです。

税理士・会計事務所のマーケティングでも、案内は一度送って終わりではなく、相手が行動しやすいように複数回フォローする設計が大切です。

遠慮して伝えないより、親切に思い出してもらうほうが、結果としてお客様のためにもなります。セミナー案内も、相談会の告知も、見込み客へのフォローも、「しつこいかどうか」だけで判断するのではなく、相手が忘れてしまう前提で、どう丁寧に届けるか。
この視点を持つだけで、マーケティングの成果は変わってきます。