税理士事務所が組織的に上手くいくためのコツ

imasia_8440510_XL1
税理士・会計事務所が組織的に上手く行くためには、
どうすれば良いでしょうか。

今回お話しするのは税理士事務所様の通常業務である
税務会計のお仕事についてではありません。

「顧問先拡大」を推進するための、
企画やマーケティング、営業活動についてのお話です。

とても大切なポイントなのですが、
そもそもの話、「日常業務」と「新規の仕事」とは、
本質的に別物です。

同じ資質の人間には相容れない要素がある

これは人間を区別しているわけではありません。
ただ、資質的に大体がどちらかに偏ります。
中には両方とも持っているという人も居ますがそれでも偏りは出るでしょう。

日常業務は継続的に生じる仕事です。
地道にこつこつと持続しなければいけません。
だからこそ、変化することがあまりよくないことであるという傾向があります。

一度効率的な流れが出来ている状態を、また変化させようとすると、
余計な労力がかかってしまいますので、できるだけ変化無しでいけたほうが助かる。

これが基本だと思います。

しかし、極まれに「変化したい人」が居たりします。
日本の人口比率で考えると少数派だと思いますが、「変化することが好き」と申しますか、
「変化しないと居られない」という人が存在するのです。

その最たる人こそが「経営者」です。つまり「所長先生」です。
先生は変化することが必要なことであるという考えを本質的に持っているケースが多いです。

どうして変化しなければいけないのか?

これは簡単な話で、変化をしなければ事業が継続できないからです。
ですから経営者である所長先生は変化をして行くために、営業活動に力を入れようと日々奮闘されています。

しかし、日常業務を行う職員の方は状況が異なります。

営業活動自体が「変化」ですし、新しいお客様が増えることも「変化」です。
全ての人が、と申し上げるつもりはありませんが、多くの場合はこの変化に否定的な気持ちを抱きます。

「別に今のままでも良いじゃないか」

そう思っているのは所長先生以外の全ての従業員である。
というケースが実は多いのです。

裏を返すと、「今のままだと会計事務所は生き残れない!」ということを、
所長先生以外の職員さんが認識されており、「変化」を受け入れる体制がある組織は、
営業拡大は上手くいきます。

もうこれは、意識の差です。

税理士事務所で変化の意識を高めるためにはどうすれば?

その必要性を説く。
まずはこれが必要です。

そして、必要な情報を共有する。
これも大切です。

しかし、それ以上に重要なことがあります。
これが出来ませんと何をやってもダメ。そういうものがあるのです。

それが、「前向きな意識」です。

実はこれがなかなか難しい。
何を話しても「後ろ向きな否定状態から入る」そういう状態の会議ってありませんか。
私も現場を回っているとそのような場面には多く遭遇します。

あまり、この傾向が強い事務所様の場合は、私どもでお手伝いをさせていただいたとしても、
上手く行きませんのでお断りを入れることもあったりします。

「前向きな意識」についてはまた別の機会にお話したいと思いますが、
変化の意識を高めたいときにまず着手すべきは、意識を前向きにすること。

これが一番です。
【著者プロフィール】太田亮児(おおたりょうじ)|合資会社オオタキカク 代表
税理士・会計事務所の営業、マーケティング支援を行う。起業前は東京都内にある税理士法人に勤務してマーケティング業務を専任で手掛けた。2005年にオオタキカクを設立して独立。税理士事務所の個性を活かし各事務所の強みを磨き上げオーダーメイド式でマーケティングの仕組みを作り上げるサポートを行う。2010年に「税理士・会計事務所の儲かるしかけ」を同文館出版より出版し、税理士業界に特化したサービスを展開している。税理士向けの専門紙である税理士新聞(NP通信社発行)への連載記事を手掛けていたこともある。