会計システムで得られる「紹介」チャンスを最大化する方法 - 税理士先生がおさえたい提携戦略と具体策

目次

  • 1. 会計システム経由の「紹介」は大切
  • 2.会計システムで紹介を最大化する3つのステップ
  • ①メーカーとの信頼関係を築く
  • ②特定システムに強みを持つ事務所になる
  • ③地域戦略とエリアの特性を理解する
  • まとめ
  • 3.会計システムメーカーからの紹介を得る具体策
  • ①システムユーザーとの接点を増やす
  • ②実績の可視化と信頼強化
  • ③共同マーケティングの活用
  • まとめ
  • 4. 会計システム経由の紹介で気をつけるべきこと
  • 5.会計システムで紹介を最大化するためにやるべきこと
更新日: 2025年6月18日

1. 会計システム経由の「紹介」は大切

会計システムメーカーとの連携は、税理士事務所が新規顧客を効率的に獲得するための強力な手段となることがあります。例えば、中小企業側から急な税理士変更の必要性が生じた場合などに、システムを経由してそれに対応可能な税理士を探したいというニーズが確実に存在しています。
新規顧客を獲得するために会計システムメーカーと連携すべきか?

2.会計システムで紹介を最大化する3つのステップ

中小企業側が、そのシステムに対応可能な税理士事務所を自身で探すこともありますし、会計システムメーカーに問合せをして、対応可能な税理士事務所を紹介してもらうということもあります。ここでは、紹介チャンスを最大化するための3つのステップを解説します。
会計システムメーカーの担当者と積極的にコンタクトを取り、定期的な情報交換や交流を持ちましょう。そのメーカーのシステム導入支援やセミナーでの講師として関係を構築することで、メーカー側からの信頼も高まります。これにより、メーカーからの紹介チャンスが発生する可能性が出てきます。
特定の会計ソフトに精通することは、他事務所との差別化につながります。システムの導入実績や導入成功事例を可視化し、メーカーとの関係を強化することで、紹介の可能性がグンと広がります。
システムの普及率や競合状況は地域ごとに異なります。そのため、地域に合わせた戦略や営業活動も必要となります。「近隣で競合する事務所が運用している会計システムだから扱う」のか、「競合しないシステムを扱う」のかは、地域によって状況が異なります。競合関係にある税理士事務所と、メーカーとの付き合い方で事務所の取るべき戦略も変わることがあります。
会計システム紹介戦略

会計システム経由の紹介を増やすためには、メーカーとの関係強化、専門性の確立、そして地域戦略が鍵になります。

3.会計システムメーカーからの紹介を得る具体策

会計システムメーカーからの紹介を増やすためには、システムユーザーとの接点を増やし、信頼を強化することが重要です。具体的には以下の3つの方法があります。
システム導入セミナーでの講師として登壇する、または導入支援パートナーとしてのポジションを確立することができると理想的です。これにより、メーカー担当者やユーザーからの信頼が高まり、紹介チャンスが広がります。
実績を可視化することは、メーカーとの信頼関係を深める重要な要素です。成功事例や口コミを積極的に活用し、実績紹介ページやSNSで事例を共有することで、他のユーザーにも安心感を与え、紹介につながりやすくなります。
メーカーと共同でセミナーやコンテンツを制作することも今の時代は効果的です。たとえば、共同ウェビナーやケーススタディの共有、共同プロモーションを行うことで、より強固な関係を築くことができます。
会計システム紹介の最大化

これらの取り組みを組み合わせることで、会計システム経由での紹介チャンスを最大化し、より多くの顧客を獲得できるチャンスが広がります。

4. 会計システム経由の紹介で気をつけるべきこと

会計システム経由の紹介は強力な集客手段ですが、いくつかのリスクにも注意が必要です。まず、特定システムに依存しすぎると、そのメーカーの方針変更や市場動向に大きく影響される可能性があるということがあります。例えば、システムの仕様変更や価格改定があった場合、これに対応せざるを得ないので、選択の幅が狭くなります。

また、システム以外の紹介ルートも並行して構築することが重要です。たとえば、既存顧客からの紹介、異業種との連携、オンラインマーケティングなど、複数のチャネルを持つことで安定した集客が可能になります。

最後に、メーカーとの関係性が深まる一方で、他のシステムメーカーとの競合関係が発生する可能性もあります。バランスを保ちつつ、多様なアプローチで集客基盤を強化することが必要です。
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5.会計システムで紹介を最大化するためにやるべきこと

会計システムメーカーからの紹介を増やすには、以下の3つの戦略が重要です。まず、メーカーとの信頼関係を築くこと。定期的な情報交換やセミナーでの登壇、導入支援などでメーカー側との結びつきを強化することがポイントです。

次に、専門性と実績の可視化が重要です。特定のシステムに強みを持ち、成功事例や導入実績を各種媒体で発信することで、他事務所との差別化が図れます。さらに、地域戦略も欠かせません。システムの普及率や競合状況は地域によって異なるため、エリアに応じた戦略が必要となります。

ただし、特定システムへの依存リスクもあるので、他の紹介ルートも並行して構築する必要があります。これらの取り組みを組み合わせることで、長期的な紹介チャンスの最大化が期待できます。
会計システム紹介サイクル

【著者プロフィール】太田亮児(おおたりょうじ)|合資会社オオタキカク 代表
税理士・会計事務所の営業、マーケティング支援を行う。起業前は東京都内にある税理士法人に勤務してマーケティング業務を専任で手掛けた。2005年にオオタキカクを設立して独立。税理士事務所の個性を活かし各事務所の強みを磨き上げオーダーメイド式でマーケティングの仕組みを作り上げるサポートを行う。2010年に「税理士・会計事務所の儲かるしかけ」を同文館出版より出版し、税理士業界に特化したサービスを展開している。税理士向けの専門紙である税理士新聞(NP通信社発行)への連載記事を手掛けていたこともある。
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