目次
- なぜ紹介は重要なのか?
- 紹介が自然に生まれる事務所の共通点
- 1. 事務所の「個性」が明確であること
- 2. 顧問先との関係が深いこと
- 3. 紹介が生まれやすい仕組みを持っていること
- 顧問先が紹介しやすい関係づくり
- 日常のコミュニケーション
- 紹介しやすいサービス設計
- 社内体制の整備
- 具体的な紹介獲得戦略
- 特化型マーケティングの活用
- 顧問先に紹介を依頼するタイミングと方法
- 紹介を促すためのツールと仕組み
- ニュースレターやメルマガの活用
- ホームページやSNSでの発信ポイント
- まとめ:紹介が増え続ける事務所になるために
更新日: 2025年6月18日
なぜ紹介は重要なのか?
税理士事務所にとって、顧問先からの紹介は新たな関与先を獲得する効果的な方法の一つです。紹介は単なる営業手法にとどまらず、事務所の信頼性やサービスの質を証明する強力な証拠となります。紹介が自然に発生する事務所は、顧問先との信頼関係が強固であり、その結果として安定した顧客基盤を築くことが可能です。
また、紹介は新規顧客獲得にかかるコストを大幅に削減する効果もあります。既存顧客からの紹介は、事務所の評判や信頼性があらかじめ伝わっているため、契約までのハードルが低く、長期的な関係構築につながりやすいのが特徴です。紹介の力を最大限に活用することは、事務所の安定経営にも直結します。
本記事では、税理士事務所が顧問先の社長様から選ばれ続け、自然と紹介が増えるような営業戦略とその工夫について、具体的な施策や事例を交えながら解説していきます。
また、紹介は新規顧客獲得にかかるコストを大幅に削減する効果もあります。既存顧客からの紹介は、事務所の評判や信頼性があらかじめ伝わっているため、契約までのハードルが低く、長期的な関係構築につながりやすいのが特徴です。紹介の力を最大限に活用することは、事務所の安定経営にも直結します。
本記事では、税理士事務所が顧問先の社長様から選ばれ続け、自然と紹介が増えるような営業戦略とその工夫について、具体的な施策や事例を交えながら解説していきます。

紹介が自然に生まれる事務所の共通点
紹介が自然に増える事務所にはいくつかの共通点があります。特に以下の3つが重要です。
1. 事務所の「個性」が明確であること
事務所の個性や特徴が明確だと紹介が生まれやすくなります。例えば、相続特化や医業特化、建設業特化といった専門性は強力な差別化要素です。特化分野の選定には、自社の強みや顧客層のニーズをしっかりと把握することが重要です。
また、大都市圏では「地域+業種特化」や「地域+業務特化」といった組み合わせが効果的です。例えば、「〇〇区の飲食店特化」や「△△区の年商1億円未満の企業向け税務支援」といった具体的なターゲット設定は、他の事務所との差別化に大きく寄与します。
また、大都市圏では「地域+業種特化」や「地域+業務特化」といった組み合わせが効果的です。例えば、「〇〇区の飲食店特化」や「△△区の年商1億円未満の企業向け税務支援」といった具体的なターゲット設定は、他の事務所との差別化に大きく寄与します。

2. 顧問先との関係が深いこと
単なる経理事務の代行や数字合わせの関係ではなく、経営者のパートナーとして信頼されることが重要です。定期的なコミュニケーションや経営相談が信頼感を高めます。単に経理業務にとどまらず、経営課題や資金調達、事業計画の策定支援など、顧客の事業成長をアシストすることで、自然と紹介が生まれる事務所になって行くことが多いです。

3. 紹介が生まれやすい仕組みを持っていること
ニュースレターや事務所通信で定期的に情報発信することや、メールマガジンや顧客事例集を活用して関係を深めることも効果的です。また、紹介キャンペーンや紹介カードの活用、顧客の声を集めたパンフレットやホームページでの事例紹介も、紹介を引き出す際には大切な要素となります。
顧問先が紹介しやすい関係づくり
顧問先が事務所を他の経営者に紹介するためには、その関係が単なる商売上の取引ではなく、人間同士の「信頼」に基づいていることが重要です。以下の要素がポイントです。

日常のコミュニケーション
定期訪問だけでなく、オンライン、電話やメールでのフォローも大切です。相談しやすい環境を作ることが、紹介を生む大前提です。ちょっとした悩みや不安も気軽に相談できる関係を築くことが重要です。また、LINEやチャットツールを活用して迅速な対応を可能にすることも効果的です。
紹介しやすいサービス設計
税務・会計の基本業務にとどまらず、経営アドバイスや資金調達支援など幅広いサポートを提供することが、顧問先にとっての驚きや喜びの要素となることは事実です。小規模な会社向けのシンプルなサービスパッケージや、特定業界向けのサービスメニューを準備することも、紹介を促すために有効となるケースが見受けられます。
社内体制の整備
全スタッフが顧客満足を意識し、積極的にサポートする文化を育むことも重要です。顧問先からのフィードバックを活かしたサービス改善、定期的な社員教育やサービス向上のための研修を実施することも、紹介が生まれやすい環境を作る要素です。
具体的な紹介獲得戦略
特化型マーケティングの活用
業種特化や地域特化など、明確な専門性を打ち出すことで、事務所の強みを明確に伝えることができ、結果として紹介されやすくなります。定期的に顧問先へのヒアリングやアンケートを実施したりすることで、ニーズが顕在化し、それに応じたサービスを提供することが可能になるのがその効用です。
顧問先に紹介を依頼するタイミングと方法
決算報告会や契約更新時に「他の経営者様にもご紹介いただければ幸いです」と伝えることや、イベントやセミナーがあった時などに、そのネットワークを活用することも考えて行きたいところです。
紹介を促すためのツールと仕組み
ニュースレターやメルマガの活用
定期的な情報提供で関係を維持し、経営に役立つ情報や成功事例を盛り込むことで、紹介のきっかけを作ります。リアルな顧問先の声や実績を掲載することも効果的です。

ホームページやSNSでの発信ポイント
SNSやブログを活用して、日常の事務所活動を発信することや閲覧者(一般の方や経営者)が求めているような、税務や経営、相続に関する役立つ情報を発信していくことも有効です。
まとめ:紹介が増え続ける事務所になるために
紹介は一朝一夕で生まれるものではありません。日々の積み重ねと顧客との信頼関係があってこそです。紹介を増やすためには、単なる営業活動にとどまらず、事務所全体で「信頼」を育む努力が求められます。ぜひ本記事を参考に、顧問先から自然と紹介が生まれる事務所づくりに取り組んでみてください。
【著者プロフィール】太田亮児(おおたりょうじ)|合資会社オオタキカク 代表
税理士・会計事務所の営業、マーケティング支援を行う。起業前は東京都内にある税理士法人に勤務してマーケティング業務を専任で手掛けた。2005年にオオタキカクを設立して独立。税理士事務所の個性を活かし各事務所の強みを磨き上げオーダーメイド式でマーケティングの仕組みを作り上げるサポートを行う。2010年に「税理士・会計事務所の儲かるしかけ」を同文館出版より出版し、税理士業界に特化したサービスを展開している。税理士向けの専門紙である税理士新聞(NP通信社発行)への連載記事を手掛けていたこともある。