第36号 同じモノであれば、「一円でも安く」。特化するほど「発注しやすく」。

tetsujin_vol36
印刷通販から学ぶネット通販と細分化
印刷というのは本当に安く、手軽なものになりました。 街の印刷やさんは本当に大変だと思います。 当社の近くにも印刷を扱っている会社がありまして、以前何度か利用をした方が良いだろうという思いもあって、何度か頼んだ事がありました。しかし・・。高いのです。とても高いのです。高いというのは何と比較してかというと、インターネットで発注できる印刷通販と比べてです。モノにもよりましたが、大体1.2倍~1.5倍近くの価格差が出ます。お店の人に「結構しますね?」と聞いたら、「そうですね、ネットで頼んだ方が安いですよ」といわれました。印刷やさんが印刷通販を使うといった事もあるそうです。

印刷物は正直なところ、「同じモノ」なので一円でも安くしたい。
印刷業界も昔は、「納期が守られないリスク」「頼んだ用紙とは別のもので印刷されるリスク」「使うインクが安物のリスク」などがあって、安い業者さんに頼むと大変なリスクを負ってしまうということがありました。 ところが最近はそのようなリスクはほとんど無くなりました。これはネット社会となったことで、「納期を守らない」「違う用紙で納品する」 「インクがダメ」などの致命的な問題を起こす業者さんはほとんどいなくなったのではないかと思います。良くないうわさは直ぐにネット を駆け巡ってしまいますので、悪い人たちは直ぐに淘汰されるようになったということなのでしょう。このように、品質が一定のものとなった段階で出てくるのが、同じ品質で安いモノです。こうなるともう仕方がありません。1000部や2000部の印刷であればたいしたことはありませんが、部数が2万部とか5万部とかになると、金額も膨らみます。発注先によっては数万円単位で金額が異なるのです。同じ条件でもです。本当は同じ業者さんに頼みたいという気持ちではあるのですが、数万円単位で変動してしまうと、どうしても一番安い専門店をインターネットを駆使して探し出したくなってしまうのです。同じモノですから・・・。
印刷の場合は、特化するほど安く、発注しやすくなる。
印刷業界も「専門特化」の業界です。当社では自社の制作物や税理士事務所様の制作物をお手伝いする事もありますので、印刷やさんのチョイスの幅はかなりあります。「小ロットのチラシ」「1万部を超える大部数のチラシ」「小冊子」「名刺」「封筒」「パンフレット」 「パンフレットカバー」「クリアフォルダ」これらの印刷は全て別々の特化型印刷やさんを利用しています。
小冊子なら小冊子だけを扱っている会社をあたり、名刺なら名刺だけを扱っている会社をあたるのです。 印刷は特化していると高いのではなく、特化していると安くなります。同じものを大量に仕入れる事ができるといったことや、印刷をする機械にかける投資が少なくて済むからなのだと思います。そして、発注がしやすくなります。何しろ、それだけしか扱っていませんから 、話が早いですよね。その代わり、商品の幅はメチャクチャ広くなります。小冊子印刷を例に取ると、表紙背表紙で使う紙質、カラーかモノクロかの選択、綴じ方の選択、中身のページ数の指定、紙質、カラーの選択。紙質も5種類以上あったりしてなかなか悩みます。 幅広く色々と扱っている印刷やさんだとなかなかそこまで細かくできなかったりするのです。

もちろん、印刷通販ではなく印刷全般を手がける街の印刷やさんも良い仕事はしてくれます。特に、「発注の仕方がわからない」とか 「お任せで良い感じでやって欲しい」といったラフな発注をしたい方の場合は、御用聞きのような形で動いてくれる印刷やさんは貴重です。印刷通販の場合は、そこらへんの面倒くさい部分を、「お客様のほうでやってくださいね」という投げ方をしています。 データを作ったり、サイズにあわせたり、テンプレート化したものでデータを提供してください。というのが印刷通販です。役割分担という形で、発注者側に作業負担の多くをぶん投げているわけです。そう考えると、安くて当たり前だ!とも言えるかもしれません。実際、入稿用のデータを作ったりするのは当社やデザイナーだったりするのです。さてこの話、会計業界に当てはめて考えてみると・・・?

合資会社オオタキカク 代表 太田亮児
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