あさりの酒蒸しとインターネットと専門医のはなし

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最近のことです。
あさりの酒蒸しを食す機会がありました。

そのときは大変美味しくいただいたのですが、数日後、まさかの食あたり!

これはいかん!ということで、どうしたものかと悩みます。

そこで登場するのはやはりインターネット!
検索窓に現在起きている症状を打ち込みます。

ネットでは「適度に何か食べたほうが良い」というはなし

色々調べておりましたら、それなりにしっかりしていそうなホームページで、胃の消化を活性化させるために、適度に何か食べた方が良い

といったような記述があり、ほうほう、なるほど!
ということでその通りにちょこちょこと胃に何かを運びます。

しかし、数日経っても全く症状が緩和されないどころか、むしろしんどさが増している。

これは、いよいよいかんぞ。
ひょっとしたら何か重大なことが体内で起きているのでは・・・といった恐怖感が芽生え始めました。

ということで次なる検索。

新中野(駅名・地名)+内科+胃痛で検索!

もう専門医に診てもらうしかない!
そう観念した私は「新中野」「内科」「胃痛」で検索を。

普段、医者になど行ったことがない私は、近所のどこに内科のお医者さんがあるかなどもちろん知らないので、どうしてもインターネットの力を借りる必要がありました。

すると検索結果の中で「今の事務所から近い」「内科の」「胃を診てくれる」という条件に合うクリニックが、3箇所ヒット。

仕事柄、「こういうときにヒットしないクリニックはもはや存在していないと同意義!
と検索をする側の人間は感じるんだよなぁ」
といったことをふと思いながら、そのうちのひとつに狙いを定め、重い体を引きずりながら先生に診てもらいに行くのです。

あらら、間逆ではありませんか!

先生に診てもらった(といっても問診数分+おなかポンポン三回くらい)ところ、私の症状(ウィルス性なんとかかんとか)の場合、食事をすることは逆効果で、むしろ半日、一日、何も食さずに空腹状態、胃の中を空っぽにした方が良いのだとか。

お薬も調合してもらい、数日。

すっかり全快したわけです。

今回、学んだのは、インターネットの情報が間違っていたということではなく、そのときの私の症状に、インターネット上の対処法がマッチしていなかったということ。

要するに問題が起きてもその対処方法というのはケースバイケースなので、結局は専門の人に診てもらい、判断をしてもらったほうが良いということです。

これは、中小企業や個人の方が税金のことで悩んだときにも同じことが言えそうです。
ネットで調べて入手した情報で一生懸命色々とやろうとしても、前提条件が異なったりすることで、全く意味のないことや逆方向の事をやってしまうといったことが生じます。

「もっと早く相談してくれればよかったのに・・・」
税理士先生方も、相談者に対してそのような感情を抱くことがあるとよく聞きます。

借入にしても、助成金にしても、従業員の採用にしても、何かしらの節税対策にしても。

ちょっと相談できていれば、あんな方法があったのに、こんな制度があったのにということも少なくないのですね。

苦しい思いをしたあの数日間は、一体なんだったのか・・・。
あんなことになるのだったら、最初から専門医に診てもらえばよかったのに!

そんなことを感じたのでした。

【著者プロフィール】太田亮児(おおたりょうじ)|合資会社オオタキカク 代表
税理士・会計事務所の営業、マーケティング支援を行う。起業前は東京都内にある税理士法人に勤務してマーケティング業務を専任で手掛けた。2005年にオオタキカクを設立して独立。税理士事務所の個性を活かし各事務所の強みを磨き上げオーダーメイド式でマーケティングの仕組みを作り上げるサポートを行う。2010年に「税理士・会計事務所の儲かるしかけ」を同文館出版より出版し、税理士業界に特化したサービスを展開している。税理士向けの専門紙である税理士新聞(NP通信社発行)への連載記事を手掛けていたこともある。