税理士事務所の顧問先「お客様の声」第三者の意見は宝

お客様の声は大事

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「お客様の声」が大切です。
これはホームページ制作の分野などでよく言われることです。

「お客様の声」のページを作りましょう。
ユーザーの声を載せましょう。

とてもすばらしいことです。

それでは、そのお客様の声。
事務所経営に活かしておられますか?
どうですか?

PRに活用できるからお客様の声を頂く。
広告宣伝のためにお客様の声を集める。

ん~!
もったいないです!!
絶対にもったいないです!!!

お客様の声というものは、事務所のことをほめてもらうため、商品やサービスを評価してもらうため、良い様に言っていただくため。

そのためだけに聞くものではありません。
もっともっと活かすことができるものなのです。

例えば、新商品開発の素になることは良くあります。

事務所としては当たり前のようにやっていたことがお客様にとっては非常に価値のあるものとして感じていただけた。 AというサービスにはBという付加価値があると自分たちは思っていたけれど、お客様からはCという価値を感じていただけた。

事務所としては「適正な報酬で品質の高いサービス」と思っていても、お客様は「めちゃくちゃ安くてスタッフの人間性が良くて気持ちのいい事務所」と思われているかもしれない。

そうすると、あれ?
適正な報酬だと思っていたけれど、世間一般的には安すぎたのかもしれない。と気が付くことができます。
サービスの品質に目が行っていたけれど、お客様の評価は担当者個人に向けられたものであった。
であれば、スタッフ個人の魅力を高める人材教育により力を入れよう。

など、少し別角度から物事を考えることが出来るようになります。
私たちが考えている価値とお客様が感じている価値には結構な違いがあったりするものです。

不思議ですね。

参考になるのはお客様の声だけではありません。
出入りの業者さんの声、感想だって貴重ですし、金融機関の担当者、保険の担当者、社労士の先生、弁護士の先生。

うちの事務所ってどうだろう?

聞いてみたら色々とお話くださるかもしれません。
そこから出てくる意見や感想もとっても貴重です。

さらにさらに。
従業員から得られる「声」もまた貴重です。

こういう「声」が自然と出てくる風土のある事務所は、大変魅力的です。
それは現場スタッフ一人一人が「もっとこうやったらよくなるよね!」といったことを、日常的に行っているからです。

ひょっとしたら、先生が望んでいない意見や声が出てくることもあるかもしれません。
そんな時、先生、カチンと来たりしないで、落ち着いてその声に耳を傾けて下さい。

そして、なるほど一理あるな。
と思ったら、その声を聞き届け、改善や改良に役立ててください。
事務所が飛躍するための秘密がそこに隠れているかもしれません。

【著者プロフィール】太田亮児(おおたりょうじ)|合資会社オオタキカク 代表
税理士・会計事務所の営業、マーケティング支援を行う。起業前は東京都内にある税理士法人に勤務してマーケティング業務を専任で手掛けた。2005年にオオタキカクを設立して独立。税理士事務所の個性を活かし各事務所の強みを磨き上げオーダーメイド式でマーケティングの仕組みを作り上げるサポートを行う。2010年に「税理士・会計事務所の儲かるしかけ」を同文館出版より出版し、税理士業界に特化したサービスを展開している。税理士向けの専門紙である税理士新聞(NP通信社発行)への連載記事を手掛けていたこともある。